人生の伴侶である旦那さんを育ててくれたお義母さん。お義母さんがいなければ、隣で笑っている旦那さんは存在し得ませんでした。今の幸せの基盤を築いてくれたお義母さんに、感謝の気持ちを込めてギフトを贈りたい。……だけど、何を贈れば喜んでくれるんだろう?
そこで、ギフトアドバイザーとして一番の適任者である「お義父さん」を呼び、お嫁さんと二人で街へ繰り出すこの企画。
名付けて、「義父とギフト」!(だじゃれ)
今回、お義母さんにギフトを贈るのはミキさん。旦那さんのテルユキさんとは職場恋愛の末に結婚。テルユキさんのご両親とは頻繁に会い、そのたびに親交を深めているのだそう。
少し経って、ミキさんの背中越しに背の高い男性がしっかりとした足取りで歩いて来ました。
ミキさん「あ、来た来た。お義父さーん!」
颯爽と現れたこちらの男性こそが、旦那さんのお父さん。つまりはミキさんのお義父さんです。ミキさんを確認すると顔がほころび、柔らかな笑顔を見せてくれました。
お義父さん「お待たせ、お待たせ」
作戦会議でお義母さんへ贈るギフトを決めよう
落ち合った後、2人は近所のカフェに移動。腰を据えて、お義母さんへ贈るギフトの相談をします。
ミキさん「お義母さんに日々の感謝の気持ちを伝えるために、プレゼントを贈ろうと思っているんです。趣味が多い人だし、何を贈ろうか迷っちゃって……」
お義父さん「昔から音楽が好きで、最近はハーモニカを習い始めたみたいだね。今はまだ教室から借りているハーモニカで練習していて、自分のハーモニカが欲しいとつぶやいていたなあ……」
ミキさん「お義母さん、小さい頃はピアノを弾いていたみたいだし、テル君(ミキさんの旦那さん)が生まれてからはオカリナにも挑戦していたらしいですね」
お義父さん「そうそう。今では家で美空ひばりの曲や“ふるさと”を練習してるよ」
以前から音楽に触れて暮らしてきたお義母さんの最近の趣味は、ハーモニカだということが発覚。そこでハーモニカを購入できる場所を探し、2人は都内の楽器店へ向かうことにしました。
義父とハーモニカ専門店でギフトを探す
そこで二人がやってきたのはJR御茶ノ水駅、東京メトロ新御茶ノ水駅から共に徒歩3分のところにある「谷口楽器」さん!
「谷口楽器」のハーモニカの品揃えは都内の楽器店の中でもトップクラス! ストックを合わせると常時2,000本以上ものハーモニカが取り揃えられているのだとか。今回の企画にぴったりすぎる楽器店さんです。
幾多ものハーモニカに目移りしながら、店員さんと一緒に購入するハーモニカを決めていきます。
店員さん「ハーモニカはキーごとに楽器自体を変えながら演奏します。本日はどのキーのハーモニカをお探しですか?」
ミキさん「お義父さん、何かお義母さんから聞いてますか?」
お義父さん「うーんと……おそらくAとCとAmの3つのハーモニカが欲しいと言っていたはず」
店員さん「なるほど。初心者の方ならこのTOMBOというメーカーがおすすめですよ」
お義父さん「扱いやすいのが一番だね」
ミキさん「そうですよね。じゃあこのメーカーのAとCとAmのハーモニカをそれぞれ1つずつと……あっ」
ミキさん「このメーカーの専用ケースもあるんだ。せっかくだからケースも合わせて贈ろうかな〜!」
お義父さん「うんうん、今は適当なポーチで間に合わせているみたいだから喜ぶんじゃないかな」
悩みながらも、店員さんのアドバイスを受け3つのハーモニカを購入することができました。
ふと思い出した、あの日のお義母さんの言葉
旦那さんの実家に向かう道すがら、2人は近くの公園を少し散歩することに。
ミキさん「そう言えば、お義父さんは今までお義母さんにどんなプレゼントを贈ってきたんですか?」
お義父さん「うーん……そうだなあ。洋服やアクセサリーなんかは分からないから記念日や誕生日には毎年花を選んでるかな」
ミキさん「今でも家族の誕生日はみんなで集まってお祝いをしてるんですか?」
お義父さん「そうだね、家族で予定を合わせて、いつもよりワンランク上のお酒やコーヒー、家族の好物などを贈り合ってるよ」
ミキさん「家族みんな仲が良くて素敵ですね」
お義父さん「特に、テルユキは小さい頃から母さんと仲が良くて。恋人ができたときも逐一母さんに報告していたよ」
ミキさん「その話、聞いたことがあります(笑)自宅に連れてくる彼女も、ちょっと変わった女の子ばかりだったとか」
お義父さん「そうそう。だからテルユキが結婚の報告に来たとき『ミキちゃんみたいな人で良かった』って安心したんだよ」
ミキさん「あはは(笑)ありがとうございます。結婚するとき、お義母さんがテル君に『もし私とミキさんが喧嘩をしたら、そのときあなたはミキさんの味方をしなさい』と言ってくれたそうで。感動したのを今でも覚えています」
ギフトの話から話題は移り変わり、旦那さん家族の仲の良さや、結婚した当初の話に花が咲き、思わず話し込んでしまいました。時刻はもう夕方。お義母さんが待つ旦那さんの実家へと向かいましょう!
お義母さんはギフトを喜んでくれるでしょうか?
こちらが、噂のミキさんのお義母さん。「お義母さんは天然ボケなところがあって可愛いんです」とミキさんが言っていた通り、チャーミングな印象です。
ミキさん「今日はお義母さんに、日頃の感謝を込めて渡したいものがあるんです。お義父さんから、お義母さんが最近ハーモニカを始めたって聞いて……」
お義母さん「え……! 本当に!?」
お義母さんはミキさんから受け取ったギフトを大切そうに抱え、ゆっくりと丁寧に包みを開けていきます。
お義母さん「あ!」
お義母さん「わあ……3つも! こんな良いもの……ありがとう、ミキちゃん」
ミキさん「お義父さんと相談しながら選んだんですよ。あとねお義母さん、ハーモニカだけじゃないんです」
お義母さん「え? もしかして……」
お義母さん「きゃー! そうそう! こんなポーチがちょうど欲しかったのよー!」
ハーモニカがぴったりとはまる専用ポーチの登場に、喜びもひとしおの様子。ギフトに贈ったハーモニカを3つ入れてご満悦です。
早速、お義母さんはハーモニカで演奏をしてくれました。お義父さんが言っていた、あの“ふるさと”がリビングに鳴り響きます。
温かくどこか母性を感じる音色に観客一同(スタッフ含む)は感動。ミキさんは、満面の笑みでお義母さんに拍手を送ります。
ミキさん「すごい! お義母さん、こんなに吹けたんだ!」
照れ笑いをしながらも、ミキさんの拍手を受けるお義母さん。
お義母さん「ミキちゃん、本当にありがとうね」
贈ることで自分ももらえるギフトがある
ギフトを贈ることで、新たに発見できたお義母さんの表情。それだけでなく、家族のさまざまな会話を通して、みきさんとお義父さんの仲もより一層深まったようです。これこそが本当のギフトだったのかも。
掛け替えのない暮らしを支えてくれているお義母さんに、お義父さんと選んだギフトを贈ってみませんか? お義父さんをアドバイザーに迎えれば、いつもとはまた違う素敵なギフトに出会えるはずですよ。
ライター/いちじく舞
写真/高山諒(ヒャクマンボルト)
編集/サカイエヒタ(ヒャクマンボルト)
取材協力:
株式会社谷口楽器
東京都千代田区神田駿河台1-8 タニグチビル3階・4階
Tel . 03-3291-2711
営業時間:平日 AM10:30〜PM7:00
日曜・祝日 AM10:30〜PM6:30 (年末年始を除き年中無休)