学生時代、毎日早起きをして自分のためにお弁当を作ってくれたお母さん。
喧嘩した次の日も、ちゃんとお弁当を用意してくれていたお母さん。
特別な日には、お弁当に好物をそっと入れてくれたお母さん。

あの頃は照れくさくて言えなかった感謝の気持ちを、大人になった今、息子さんからお母さんへ「お弁当」というかたちで恩返しします。題して、「恩返し弁当」。

白米が苦手な息子に、一手間加えた「いなり弁当」

画像1: 白米が苦手な息子に、一手間加えた「いなり弁当」

今回お母さんへ「恩返し弁当」を作ってくれるのは、しゃもじを持つ姿がキマっているペックさん。三人兄妹で、妹が二人いる面倒見のいい彼。その人柄は、仕事の面でも後輩からも頼られる兄貴分ですが、じつは10歳と7歳のお子さんを持つ父親でもあります。今は実家の隣の町に住んでおり、お母さんとはよく顔を合わせている彼ですが、今回は特別なプレゼントを持ってこの企画に参加してくれました。

画像2: 白米が苦手な息子に、一手間加えた「いなり弁当」

ペックさん「おかんは優しいけど厳しい人でした。おとんが適当というか、いつも冗談ばっかり言う人だったので、夫婦間のバランスはよかったかな。今日は、そんなおかんがいつも作ってくれていた、おいなりさんとサツマイモの天ぷらを作ります。子どもの頃、僕は白米が苦手だったので、いつもおかんはご飯に工夫をしてくれていて、一番好きだったのがおいなりさん。油揚げが表と裏のがあったのを覚えているけど、作り方は聞いていないので、今日はレシピを想像しながらぶっつけ本番ですね(笑)」

画像3: 白米が苦手な息子に、一手間加えた「いなり弁当」

そう言って、自宅のキッチンに立つペックさん。携帯でレシピを調べながら料理を進めますが、なかなか難航している様子。まずは付け合わせの春雨サラダを作ります。味付けのレシピを見ますが、お母さんのは酸っぱいさっぱりした味だったと、ポン酢を加えます。さて、どんなお弁当ができあがるのでしょうか?

人生の大きな決断も、しっかり向き合い受け入れてくれた

画像1: 人生の大きな決断も、しっかり向き合い受け入れてくれた

ペックさん「学生時代は陸上部に入っていて、中学の頃は大会がとにかく多くてその度にお弁当をもたせてもらった記憶があります。中でもお気に入りのおかずは“サツマイモ天”でした。小さい頃、近所の仲良し家族たちが集まって晩御飯を食べることが多かったのですが、我が家はいつも揚げ物担当。そのときおかんが作るサツマイモ天が大好きで、おかんもそれに気付いていたのか、いつもお弁当に入っていました」

画像2: 人生の大きな決断も、しっかり向き合い受け入れてくれた

ペックさん「僕、学生結婚だったんです。まだ就職も決まっていない段階で、嫁さんの妊娠が発覚。不安もあったけれど、産まないという選択肢は頭になくて、親に話したら“こっちのことはいいから、まずは向こうのご家族に誠心誠意尽くして、自分で責任を取りなさい”と言ってくれたんです。その言葉を聞いて、親が受け入れてくれた安堵もあり、“なんとかできる!”って気持ちになれて、そこから突っ走って10年。今では二人の子どもに恵まれマイホームも建てて、我ながらなんとかできるもんだなって」

画像: ▲ペックさんのマイホームには、しあわせな家族写真がたくさん飾られていた

▲ペックさんのマイホームには、しあわせな家族写真がたくさん飾られていた

ペックさん「よし、次はサツマイモを揚げよう……ってあれ? ちょっと焦げくさくない? うわっ、油揚げが焦げてる!」

画像3: 人生の大きな決断も、しっかり向き合い受け入れてくれた

このあと、サツマイモ天も焦がし、キッチンは香ばしいニオイに包まれます。この企画始まって以来のハプニング、なかなかの腕前です。

年季の入ったお弁当箱は当時使っていたもの

画像1: 年季の入ったお弁当箱は当時使っていたもの

今回、お母さん用のお弁当箱は、学生時代ペックさんが使用していたもの。さぁ、思い出のお弁当箱に一生懸命作ったおかずを詰めていきましょう。

ペックさん「なんか、このお弁当箱ちょっと深すぎない(笑)? おかん、こんなに詰めて食べきれるかな? 学生時代はいっぱい食べていたんだなって、ビックリですね」

画像2: 年季の入ったお弁当箱は当時使っていたもの

さあ、いよいよお母さんと公園で待ち合わせして、サプライズでお弁当をプレゼントします。今日は息子さんの仕事についての密着取材だと聞いているお母さん。息子さんからの初めてのお弁当に驚いてくれるのでしょうか?

遠足の子どもたちで賑わう、地元の公園

画像1: 遠足の子どもたちで賑わう、地元の公園

お母さん「どうも、母です。本日はよろしくお願いします」

息子さんの密着取材ということで、何も知らされずに訪れたお母さん。スタッフから本当の企画について説明し、本日の主役であることを認識すると恥ずかしそうな表情に。

画像2: 遠足の子どもたちで賑わう、地元の公園

お母さん「ペックは昔っからドタバタといつも動き回っている子で、今と何も変わってないです(笑)。友達が多くて、文化祭とか体育祭の前はすごい人数が家に来たりしてましたね。学生結婚したときは、これから好きなことを思いっきりやれるのに、家族を背負っていくのは苦労するんじゃないかなと心配はしましたが、責任感を持って仕事を頑張っている姿を見て少し安心しています」

画像: ▲愉快なペックさんの家族。上段右がペックさん。二段目いちばん左が、亡きお父さん

▲愉快なペックさんの家族。上段右がペックさん。二段目いちばん左が、亡きお父さん

お母さん「いつまでも子どもだと思っていたけれど、一昨年主人を亡くした時は長男として立派に支えてくれました。その姿が頼もしくて、すっかり大きくなったんだなぁと感じます」

お母さんが家族のことを話すと、ペックさんは少し照れくさそうです。笑顔の絶えない二人を見ていると、本当に仲の良い家族であることが伺えます。

さぁ、そんなお母さんに10年越しの「ありがとう」をお弁当という形で伝えます。

油揚げがひっくり返してある理由

画像1: 油揚げがひっくり返してある理由

初夏を感じる、少し日差しの強い公園でシートを敷いて座ります。息子からのはじめてのお弁当、お母さんは中身が気になっている様子。

ペックさん「はい、どうぞ!」

お母さん「ありがとう。やだ、この弁当箱使ったの? 懐かしいね」

昔は毎日自分が渡していたお弁当箱。ふたを開けると……

お母さん「おいなりさんだ。サツマイモ天も入って、あなたの好きなものがいっぱいね」

ペックさん「おかんがいつも作ってくれたお弁当の中で、好きだった献立を作りました。思ったより難しくて、焦げちゃったりしたんだけど……。あ、味見もしてないや、大丈夫かな」

画像2: 油揚げがひっくり返してある理由

お母さん「では、さっそく食べてみようかしら」

ペックさん「どうぞ!」

二人「いただきます!」

画像3: 油揚げがひっくり返してある理由

お母さん「うん、美味しい! この油揚げ、ペックが煮たの?」

ペックさん「そうだよ! いや、煮詰めてたら焦げちゃってさ。でも見た目より美味しいね(笑)」

お母さん「上手にできてるじゃない!」

ペックさん「よかったぁ〜、安心したわ」

画像4: 油揚げがひっくり返してある理由

ペックさん「そういえばさ、おいなりさん、なんでいつも裏表の両方あるの?」

お母さん「あ、あれは私のおばあちゃんがそうやって作ってくれていたの」

ペックさん「ひぃばあちゃんってこと? じゃ、代々受け継がれてる感じなんだね」

お母さん「お母さんもおいなりさん好きだったのよ」

画像5: 油揚げがひっくり返してある理由

お母さん「このサツマイモの切り方もちゃんと覚えてたの?」

ペックさん「うん、焦げたけどね(笑)」

お母さん「でもちゃんと火が通ってるし、バッチリよ! 今度はお嫁さんにも作ってあげてね!」

画像6: 油揚げがひっくり返してある理由

ペックさん「それは無理かなぁ〜(笑)」

画像7: 油揚げがひっくり返してある理由

二人「ごちそうさまでした!」

懐かしいおかずに、話も盛り上がりながら食事を終えたお二人。今回は特別にペックさんからもう一つ、お母さんにプレゼントがあります。

もう一つの特別なサプライズ

ペックさん「せっかくなので、このタイミングで渡したいものもあってさ。どうぞ!」

お母さん「なんだろ? 開けるね」

画像1: もう一つの特別なサプライズ

ペックさん「兄妹一同からです!」

画像2: もう一つの特別なサプライズ

お母さん「え……。お父さんと私の似顔絵?」

ペックさん「今月は二人の結婚記念日でしょ? 大切なお祝いだから、これからは子どもたちで祝って行こうと思って。仏壇の周りがちょっと寂しいから、これ飾って!」

お母さん「……」

画像3: もう一つの特別なサプライズ

ペックさん「自分のことしか考えない人生だったのが、結婚して俺にも家族ができて、家族のいいところも悪いところも受け入れなきゃいけなくなって。そんなとき、おとんとおかんは俺のことをなんでも受け入れてくれたのを思い出すんだよね。だから今、俺も子どもたちに同じことをしてあげられているよ」

お母さん「うん……」

ペックさん「自由な子どもたちを見てると、俺の子だなって思うと同時に、やっぱりおとんとおかんの孫だなって感じるわ。ほんとそっくりだよ!」

お母さん「そうだね……ありがとう」

毎日のお弁当に詰まっていたもの

画像1: 毎日のお弁当に詰まっていたもの

毎日のお母さんからのお弁当。それは、いつまでも支え合い、助け合うという大切な家族同士の「約束」でした。たくさんの愛情が詰まったお弁当で結ばれた約束は、大人になった今もしっかりと結びつき、そしてそれは天国のお父さんにも繋がっていることでしょう。家族の結びつきを作るお弁当は、これから先、孫の世代まで受け継がれていきます。

どんなときもあなたを支えてくれる家族に、あなたから「ありがとう」を伝えていますか? いつも寄り添っている仲のいい家族だからこそ、ついつい伝えていない気持ち。あなただけのかたちで「ありがとう」を伝えてみませんか?

画像2: 毎日のお弁当に詰まっていたもの

ライター/板橋葵
写真/高山諒(ヒャクマンボルト)
編集/サカイエヒタ(ヒャクマンボルト)

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