都内のとある街にある小料理屋。ここはある特別なお客さんを迎えるためのお店。

特別なお客さんとは、ちょっとだけ不器用な「お父さん」。
そして、お父さんをおもてなしするのは、この日だけはいつもと違う、女将の顔になった「娘」。

今日は女将となった娘が、お父さんとの思い出の味を作ります。
そんな料理を前に、二人はどんな時間を過ごすのでしょうか。

画像: 「娘のち、女将」〜串カツとリンゴが入ったポテトサラダ〜

毎年家族旅行に行く、仲良し親子

なつこさん「実家は都内ですが、早くに家を出て1人暮らしを始めたんです。そんなわがままな一人娘ですが、離れていても大切にしてもらっていますね。年に数回ハワイや温泉など、家族旅行をしているので、お父さんとも仲良しです」

画像: 毎年家族旅行に行く、仲良し親子

そう話すなつこさんは焼けた肌がよく似合う、ヨガインストラクター。通常のレッスンはもちろん、イベントや企業でのレッスンにも引っ張りだこの人気インストラクターです。雑誌や広告のヨガポーズ監修、ヨガモデルなどの活動も多く、ヨガコラムの執筆や動画の配信などさまざまなことに挑戦しています。

なつこさん「ヨガって学ぶたびに自分に気づきを与えてくれ、成長させてくれる奥深さが魅力です。おしゃれ女子みたいなイメージで人気のヨガですが、海外ではライフスタイルの一つとして根付く国もあります。日本でも一過性のブームではなく、もっと生活の一部として浸透していったらいいなと思うし、そのために私にできることをやっていきます」

ヨガの話をするなつこさんは生き生きとして輝いています。多方面で活躍する姿はきっとご両親にとっても自慢の娘さんですね。

そんな彼女に、今日は小料理屋の女将としてお父さんをもてなしながら、ゆっくりと二人の時間を過ごしていただきます。愛娘からの突然のおもてなしに、お父さんもビックリするでしょうね。

本日のお品書き。オススメは来てからのお楽しみ

さぁ、お品書きが書き終わりました。最後のオススメでは何が出てくるのでしょう?

画像1: 本日のお品書き。オススメは来てからのお楽しみ

なつこさん「先日も家族で食事をしたので、お父さんが席を立った隙にお母さんからお父さんの好物をたくさん聞きました。塩こんぶキャベツやポテトサラダなどの野菜料理、あとは串カツも好きとのこと。私のオススメのおつまみも作ろうと思います」

「お父さんは関西人なので串カツの肉は牛なのかな? と思っていたけど、肉の種類よりも具材の種類が多いことの方が重要みたいなので、お肉は豚ヒレ肉にして、うずらの卵と玉ねぎも入れますね」

画像2: 本日のお品書き。オススメは来てからのお楽しみ
画像3: 本日のお品書き。オススメは来てからのお楽しみ

さぁ、割烹着に着替えて早速料理に取りかかりましょう。

いつもは運動をするウエアが多いなつこさん、初めて着る割烹着に戸惑っています。でも、とっても似合っていますね。

まずはお母さんもよく作ってくれた、ポテトサラダから作っていきます。自炊をすることも多いそうで手際よく具材を切っていきます。

なつこさん「お母さんのポテトサラダはリンゴがしっかり入っていましたね。味付けは、マヨネーズでいいかな?」

画像4: 本日のお品書き。オススメは来てからのお楽しみ

なつこさん「お父さんは毎日飲んで帰ってくるほどお酒が好きなんですよ。私が実家にいた頃は、飲みに行って連絡がつかないと『おやじ狩りにでも遭っていたらどうしよう』なんて心配して自転車で近所を探し回りました。大抵どこかで寝てるんですけどね(笑)」

「最近も飲んではいるみたいだけど、身体のことも考えてくれるようになったと思います。私と一緒にマラソンを始めて、8年前にはホノルルマラソンを完走しました。そのあとも東京マラソンや地方のマラソンを走っていて、今では家族共通の趣味として楽しんでいます」

画像5: 本日のお品書き。オススメは来てからのお楽しみ
画像6: 本日のお品書き。オススメは来てからのお楽しみ

着々と料理ができあがり、串揚げも初めてとは思えない手つきで揚げていきます。ここまでできたら、あとはお父さんの到着を待つばかりです。

コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

画像1: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

お父さん「こんばんは〜!」

そう言って、笑顔で入ってきたお父さん。今日はなつこさんの取材で、お父さんにも少し話を聞きたいというていでお越しいただき、詳しいことはお伝えしていません。好奇心旺盛で撮影にも興味津々、割烹着姿の娘を見て思わず笑っていますね。

そんなお父さんに、娘であるなつこさんのことを聞いてみます。

お父さん「ちっちゃい頃はものすっごいパパっ子でね、小学校高学年まで一緒にお風呂に入ってましたわ。中学くらいからは友だち中心の生活になったけど、今もその子たちと仲良くしていて、親から見ても友だち思いの優しい子です」

「頑固な一面もあるけど、しっかり者。まぁ、しっかり者すぎて一人で危ない国に行ってしまうのは心配ですね」

画像2: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

なつこさん「遠いところお疲れ様です」

お父さん「何〜? なになに〜?」

なつこさん「いいから、いいから。お品書きです〜」

画像3: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

お父さん「お、ポテサラ! ええねぇ〜、ん? 今日はなんなの?」

なつこさん「ふふふ、まずはビールですね」

お父さん「お、おう! よろしく」

画像4: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん
画像5: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

娘からのお酌に、とっても嬉しそうなお父さん。何がなんだかわからないまま、大好きなお酒を勧められていますが、今日のビールは美味しいでしょうね! ここでなつこさんからお父さんへ今日来てもらった本当の理由を伝えます。

なつこさん「実は今日は私が小料理屋の女将になって、お父さんをおもてなしする日なんだよ」

お父さん「そうやったんか〜! それは楽しみやな」

それではさっそく、お通しの塩こんぶキャベツとポテトサラダを食べていただきましょう。

画像6: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん
画像7: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

お父さん「ん〜!! うまい! リンゴが目立ってますな」

なつこさん「ん? 家のやつにもリンゴたくさん入ってるやん」

お父さん「こんな入ってないって! これはなつこのオリジナルや!」

なつこさんご家族は関西出身。お父さんの転勤で東京に引っ越すことになり、いずれは関西に戻る予定でしたが、東京で友だちができたなつこさんが帰りたくないと言うので、お父さんは異動先に転籍を決めたそう。

いつもは標準語のなつこさんも、コテコテの関西弁を話すお父さんにつられてつい関西弁になります。

画像8: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

お父さん「いや、バッチグーよ、グー! 東京にはこんな美味しい店があるんやな!」

なつこさん「調子いいんだから(笑)。東京何年目よ〜」

お父さん「転勤先から結局帰らなかったなぁ。なつこが関西に帰りたくないっていうたからやで。私は関西が好きで帰りたくて帰りたくて(涙)」

なつこさん「嘘。飲み屋がたくさんあるって、毎日楽しそうにしてたやん」

お父さん「そんなことないって!」

なつこさん「え? じゃ、中学生の時に携帯に入ってた『ジャスミンちゃん』って誰よ」

お父さん「お、お前、それお茶の名前と間違うてるんちゃう?」

テンポよく繰り広げられる会話に、その場にいたスタッフも笑いが止まりません。

画像9: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん
画像10: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

次に食べてもらうのは、炙り〆サバ。お家では難しい炙りも上手にできて、お父さんも嬉しそう。思わずお酒が進んでしまいます。

お父さん「〆さば美味しいなぁ〜、やっぱり炙ってあるとちゃいまんな!」

なつこさん「せっかくバーナーがあったから使ってみようかなと思ってね。初めてやけど、うまくいってよかったわ」

画像11: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

お父さん「いっぱい出てくるけど次はなに?」

なつこさん「串カツよ」

お父さん「うひゃー! これまた大きなカツやな!」

画像12: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

お父さん「うん! 美味しい! これ、いい油使てるんちゃうの?」

なつこさん「油やない、お肉がヒレ肉やで」

お父さん「何!? そんないい肉!? いやぁ、自分のお母さんが作ってくれたの思い出すなぁ。そや、なつこも一杯どう?」

なつこさん「あら、ありがとう」

画像13: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

二人「お疲れさま〜」

お父さん「なつこと二人で飲むこともないしなぁ。こんな機会も東京にいなかったらなかったやろな」

なつこさん「うーん、あのとき転勤がなくて関西に残ってたら、また違う人生だったのかも」

お父さん「自分の好きなことを仕事にして、個人事業主としてしっかりやって。お父さんからしたら憧れるなぁ」

なつこさん「それは一人暮らしや、ボストン、インド、タイへの留学など、お父さんとお母さんがいろいろなことに挑戦させてくれたおかげかもしれないな。心配かけてばっかりでも、応援してくれて感謝しています」

画像14: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

ここからは、なつこさんが先日スノーボードへ行った際に気に入った、新潟の日本酒で一杯飲みましょう。ここで「私のオススメ」が登場。お品書きでは明かされていなかったオススメの正体は、なつこさんの大好きな『いぶりがっこクリームチーズ』でした。

画像15: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

実はこの撮影の三日後には、インドへヨガ修行に旅立つなつこさん。現地ではなかなか連絡も取れないので、お父さんはとても心配していました。

お父さん「インド心配やな。空港まで送っていけたらいいんやけど」

なつこさん「朝早いし大丈夫よ」

お父さん「心配やなぁ……。いつ帰ってくるん?」

なつこさん「三月下旬かなぁ。あ、マイル使わせてもらうわ」

お父さん「え、また?? マイルばっかり使われてマイルわぁ〜」

なつこさん「(笑)」

画像16: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

なつこさん「お母さん家? 寂しがってるかなぁ」

お父さん「なんでお父さんだけなん! って言うてたから、ルックス考えたらわかるやろって言っておいたわ」

なつこさん「やめてよ(笑)」

お父さん「なんかお土産でも買って帰りますわ」

なつこさん「そうしてあげて。さ、もう一杯どうぞ」

画像17: コテコテの関西弁で笑いを振りまくお父さん

生まれてからずっと一緒にいても、知らなかったことや気が付かなかったことがそれぞれにあるのかもしれません。カウンター越しに目を合わせ、新鮮な気持ちで話せた二人のお話はここまで。

まだまだ話の尽きない様子のお二人。この後は親子水入らずでゆっくり留学前の時間を楽しむことにしたようです。二人が再会する頃には春の訪れを感じる季節になるので、今度は親子三人でお花見しながら飲めたらいいですね。

一番近い存在だからこそ、意外と知らない胸の内。いつか聞いてみたいときは女将になって、お父さんをもてなす時間を作ってみてはいかがでしょうか?

ライター/板橋葵
カメラ/大島彩
編集/大月真衣子

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