実家や義実家を訪れるとき、手土産を持参していますか? 全国に28,000人の部員を擁する女子部JAPAN(・v・)によるリアルな声を交えながら、手土産に関して気をつけたいポイントや、知っておくべき基本知識をご紹介。シリーズを読み込めば、贈りもののプロになれるかも!第4回は、手土産の選び方や渡し方についてお届けします。
1、実家や義実家を訪れる際に、手土産を持参している?
夏休みや年末年始などの長期休暇を使って、実家や義実家へ帰省をするという方も多いでしょう。女子部JAPAN(・v・)部員への調査によると、実家や義実家を訪れるときに手土産を持参するという人は9割を超えるという結果が出ました。
そもそも手土産とは、身内や友人のお宅へ訪問する際に、訪問する感謝の気持ちを込めて渡す品物のこと。この品物を手土産と呼び、旅行先などで相手のために買うプレゼント感覚のお土産とは贈る意味合いが異なります。
とくに、実家や義実家が遠方で年に数回程度しか訪問できない場合は、相手に喜ばれる手土産を選びたいものですね。
身内への手土産の場合は、自分の家族も含めてみんなで食べられるものを持参することも多いよう。手土産は感謝の気持ちを込める以外にも、お菓子などを持参することで親族みんなが集まる時間を持てたり、初めての味覚を楽しんでもらえるきっかけにもなるようです。
2、親世代に喜ばれる手土産って?
手土産にはどんなものを選ぶのが良いのでしょうか。一般的には、後に残るものより、食べたり使ったりして楽しんだ後になくなる「消えもの」がよいとされています。たとえば、お菓子や食品、酒類、生花などが挙げられます。
しかし、帰省のたびに手土産を持参するとなると、どうしてもワンパターンになりがちです。せっかくなら、ご両親や義両親に毎回喜んでもらえるものを選びたいですよね。女子部JAPAN(・v・)の部員は、どんな品物を選んでいるのでしょうか。
このように、相手の好みがよくわかっているようなら、それに合わせて品物を選ぶのもいいでしょう。親世代にとっては目新しいものをチョイスすることで、新しい味覚の発見があることも。また、贈る相手の住む地域ではなかなか買うことができないものを選んでみるのも、いいアイデアです。
一方で、喜ばれると思って贈った手土産でも、思わぬ失敗をしてしまうことも。
ご両親や義両親から何かリクエストがあったら少し詳しく好みを聞いてみたり、兄弟で同じタイミングに帰省するようなら、連絡を取り合って手土産のジャンルが被らないように確認しておくのもいいかもしれません。
また、お菓子を選ぶ場合は家族の人数分より多めに用意したり、お花はそのまま飾れるものにするなど、相手の負担にならない選び方をすることも大切です。相手のために用意したものという印象があり、より喜ばれるでしょう。
手土産で注意したいのが、訪問先の近所で購入するのはできるだけ避けること。いかにも間に合わせの印象を与えてしまいますので、帰省の際は事前に用意するようにしましょう。
3、知っておくと安心!手土産の正しい渡し方とは
年末年始の親戚の集まりや、夫の会社の上司からホームパーティーに招待されるなど、少しかしこまった場に手土産を持っていく機会もあるでしょう。その際に、手土産や贈り物を渡すタイミングは、なかなか難しいものです。一般的には、手土産は客間に通されて正式なあいさつが済んだ後に渡すのが基本と言われています。ただし実家や義実家などの場合は、娘や息子をお客様扱いすることはないでしょうから、それぞれへのあいさつなどが少し落ち着いた頃を見計らって、スマートに渡すのがいいでしょう。
手土産や贈り物を渡すときは、「気持ちを包む」という意味で風呂敷に包んで持参するのが正式ですが、格式が求められるシーンでない限りは紙袋でも構いません。ここでは、訪問時の正しい渡し方を紹介します。
<和室で渡す場合>
和室で渡すときは、下座側(入り口側)に包みを置いてあいさつをした後に、風呂敷をといて品物を取り出し、さっと風呂敷をたたみ下座側に置いておきます。品物にのしが付いている場合は、相手から見てのしが正面になるように差し出します。
<洋間で渡す場合>
洋間で渡すときは、ソファや膝の上で風呂敷をとき、和室の場合と同じように相手に渡します。テーブルの上で差し出すときは、品物をテーブルにすらないように少し持ち上げて差し出します(畳で差し出す時はすってもOK)。テーブルの上に風呂敷ごと置くのはNGです。
<紙袋の場合>
基本的には風呂敷の場合と同じで、あいさつをした後に紙袋から出し、紙袋を畳みます。のしが付いている場合は、のしが相手の正面になるように差し出します。風呂敷や紙袋はチリよけの意味もあるので、包んだ状態のものをテーブルの上に置くのはNGです。
ただし、手土産がアイスクリームなど冷凍品の場合は、「アイスクリームなので、すぐに冷凍庫に入れてください」などひと言添えて、玄関を上がったところで渡してもいいでしょう。また、紙袋がラッピング代わりになっている場合は、紙袋のまま渡しましょう。
また、中には帰省のたびに、こんな失敗やモヤモヤを体験している人も。
年末年始などの帰省でお年賀として手土産を持参するときなどは、訪問宅ではすでにたくさんのお菓子を受け取っていることが予想されます。そういう場合は、誰からの品物か分かりやすいように、のしに名前を入れて贈るのもいいアイデアですね。
<ミニコラム>
「つまらないものですが」よりも、気の利いたひとことを添えて
相手の方に遠慮せずに手土産を受け取ってもらうように、品物に対して謙虚な言葉を添えて渡すのが手土産のマナーです。昔は手土産を渡すときの決まり文句で、「つまらないものですが」が有名でしたが、現代ではかえって失礼な印象を与えてしまうこともあります。
そこで、ちょっと言い方を工夫するようにしましょう。「日本酒がお好きと聞いたので、お口に合うと良いのですが」や「最近美味しいと評判のお店のお菓子なので、みなさまで召し上がっていただきたいと思いまして」など、訪問前に気の利いた言葉を頭に思い浮かべておきましょう。自分たちのことを考えて選んでくれたことが相手に伝わり、より喜ばれるでしょう。
また、具体的な言葉が思い浮かばなければ、「心ばかりの品ですが、どうぞお受け取りください」や「ささやかな品ですが、どうぞお納めください」でもいいでしょう。心を込めて選んだ品を「つまらないもの」と表現するのは、現代の感覚には合わないようです。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉もあるように、実家や義実家を訪問する際には、気の利いた手土産を持参するといいですね。相手宅へ訪問する感謝の気持ちを伝えることが一番の目的ではありますが、お菓子などの手土産を家族みんなで美味しく食べる時間を持つことも、実は大切なこと。相手に気持ちよく受け取ってもらえるためにも、正しい知識や渡し方などもぜひ知っておきましょう。
女子部JAPAN(・v・)
シニア向けのスマホ講座のカリキュラム作成や講師を担当、スマホの使い方ガイドを制作・監修するなどをしている女子集団。スマホ以外でも、女子にまつわるさまざまな情報を発信したり、イベントを開催しています。
イラスト/なかがわみか
参考文献/手紙の書き方と贈り物のマナー 著・矢部惠子
贈り方とマナーとコツ 監修・岩下宣子
高島屋のしきたり事典 著・高島屋