学生時代、毎日早起きをして自分のためにお弁当を作ってくれたお母さん。
喧嘩した次の日も、ちゃんとお弁当を用意してくれていたお母さん。
特別な日には、お弁当に好物をそっと入れてくれたお母さん。

あの頃は照れくさくて言えなかった感謝の気持ちを、大人になった今、息子さんから
お母さんへ「お弁当」というかたちで恩返しします。題して、「恩返し弁当」。

強さと優しさを持ったお母さん

画像1: 強さと優しさを持ったお母さん

今回お母さんへ「恩返し弁当」を作ってくれるのはケントさん。二人兄弟の次男として育ち、17歳でプロボクサーの道へ。現在は引退して空間デザイナーなど、クリエイターとしてマルチに活躍しています。アトリエのようなおしゃれな部屋には、ケントさんのこだわりが随所に散りばめられていますね。今日はそんなおしゃれ男子のケントさんと思い出のお弁当を作っていきます。

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ケントさん「母ちゃんはすごく強い人です。今まで出会ってきた人の中でも、これから出会う人の中でも、一番強いと思います。10代の頃にボクサーとしてのデビュー戦で試合中に脱臼してしまって、そのまま負けちゃったんですよね。親だったら見ていられないような試合なのに、終わったあと怒られたんですよ(笑)」

「今日は野菜が好きな母ちゃんに、日ごろの感謝の気持ちを込めて花束のサラダを作ります。あとは、最近歯が弱くなってきたので、食べやすそうなパスタにするつもりです」

画像3: 強さと優しさを持ったお母さん

料理を始めたばかりのケントさん。この日のために練習をしていたそうで、黙々と作業を進めていきます。まるで何か作品を作っているような打ち込み方。あっという間に、生ハムとチーズの花ができあがりました。

画像4: 強さと優しさを持ったお母さん

好きなこと、興味があることに一直線

ケントさん「17歳のときにボクシングのプロライセンスを取って、プロボクサーをしていました。引退後は興味があることにいろいろ挑戦しています。今はアパレルの展示会で空間デザイナーや、撮影のプロップスタイリスト、その他クリエイターやアーティストをフックアップできるような活動が中心。あとは、地域の盛り上げ隊みたいなこともしていますよ(笑)」

「今後も形にとらわれず、自分の感覚を大切にしてやりたいことをやっていきます。あとは、気の合う仲間と常にかっこいいことをやっていきたいですね」

仕事でもケントさんの部屋で撮影することがあるそうで、このおしゃれな空間も納得です。

画像1: 好きなこと、興味があることに一直線

ケントさん「どうしようかなぁ……。あぁ、僕が偏食なんですよ。だからサラダはいらないなぁって。僕の方には豚バラでも炒めて入れておこうかな。でも見た目がなぁ〜」

さすがはクリエイター。お弁当の彩りが気になります。悩んだ末に、お母さんのために作ったアボカドポテトサラダを自身のお弁当にも入れることにしたようです。サラダが完成したところで、メインのパスタ作りに取りかかります。

画像2: 好きなこと、興味があることに一直線
画像3: 好きなこと、興味があることに一直線

ケントさん「母ちゃんの弁当は結構シンプルで、肉! 白米! みたいな感じでした。それも僕の好みで嬉しかったんですけどね」

「今日は米じゃなくてパスタなんですが、アボカドジェノベーゼにします。パスタは全粒粉と小麦のものを混ぜて食感を変えているのと、隠し味はスパイシーチョコレートパウダー。この1ヶ月で考えたオリジナルレシピです。料理歴は2ヶ月弱で、フライパンなど買い揃えるところから始めました(笑)」

料理歴2ヶ月でレシピを考案するとは驚きですが、お母さんのために頑張っていたと思うと、胸が熱くなりますね。あっという間にパスタもできあがりました。

入れ物にもこだわったおしゃれ弁当

画像1: 入れ物にもこだわったおしゃれ弁当
画像2: 入れ物にもこだわったおしゃれ弁当

ケントさん「このお弁当箱、ステンレスの素材や周りのウッド感が気に入って選んだのですが、意外と量が入ってびっくり(笑)。最近少食の母ちゃんは、どれくらい食べられるのかなぁ」

当たり前のようにずっと作ってもらってきたお弁当ですが、いざ自分が作るとなるとお弁当箱のサイズやおかずの内容など、本当に考えることが多いですよね。

画像3: 入れ物にもこだわったおしゃれ弁当

さあ、見た目も美しいブーケサラダとアボカドジェノベーゼパスタ弁当の完成です! 紫キャベツやドラゴンフルーツパウダーを使用するなど、とにかく彩りにこだわったサラダと、オリジナルで考案したジェノベーゼパスタ、どちらもおいしそうですね!

いよいよお母さんと公園で待ち合わせして、サプライズでお弁当をプレゼントします。息子さんからの初めての手料理弁当、お母さんはどんな反応をするのでしょうか?

待ち合わせ場所は、いつもの「みなとみらい」

画像1: 待ち合わせ場所は、いつもの「みなとみらい」

お母さん「今日は天気がいいわね〜! 早めにきて散歩してたの」

そう言いながら、颯爽と歩いてきたお母さん。さすが親子と言わんばかりのおしゃれな方です。ケントさんは実家を出て一人暮らしをしていますが、お母さんを気にかけて月に一度は顔を見るようにしているそう。その待ち合わせで訪れるのがここ「みなとみらい」で、二人のお気に入りスポットなんだとか。

画像2: 待ち合わせ場所は、いつもの「みなとみらい」
画像3: 待ち合わせ場所は、いつもの「みなとみらい」

お母さん「ケントは生まれてすぐの夜泣き以外はまったく手のかからない子で、育てたという記憶がないくらい勝手に育っていたの。今も昔も怒鳴ったり怒ったりしたところを見たことがない。いつも冷静で絶対に人のことを悪く言ったりしないし、ズルさもない子なの。そんな子が急にボクサーになるって言い出したときは驚いたのよね。もちろん、彼の人生だから止めることはできないけど、こんなに根が優しい子は向いてないんじゃないか、って思ったわ」

「今は好きなことをやって、しっかり自立しているから安心しているの。いつもこうやって気にかけて連れ出してくれるのが楽しみでねぇ」

小さい頃はやんちゃなお兄ちゃんに手がかかりっぱなしで、あまり出かけたりできなかったそう。大人になった今、月に一度外出することでその頃の時間を埋めているといいます。

さぁ、そんなお母さんに10年越しの「ありがとう」をお弁当という形で伝えます。

感謝の気持を込めた花束のようなお弁当

画像1: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当

さぁ、海の見えるデッキにラグを引いてお弁当を渡します。

ケントさん「はい、どうぞ」

お母さん「え? お弁当? 作ったの??」

蓋をあけると目に飛び込んできたのは、色とりどりの美しいお花たち。これにはお母さん、思わず息を呑みます。

画像2: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当

お母さん「これはすごい! こんなお弁当は初めて見た!」

ケントさん「お母さんをイメージして作ったんだよ」

お母さん「食べるのがもったいないくらい素敵」

ケントさん「食が細くなっているんだから、しっかり食べてね」

画像3: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当

お母さん「ケントが料理ができるの知らなかったわ。いつの間に!?」

ケントさん「今日のためにコツコツ練習したんだよ」

お母さん「ケントの料理食べるのなんて、小学校の家庭科で作ってくれたジャーマンポテト以来よ〜。うん、おいしい! ポテトサラダもいい味!」

画像4: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当
画像5: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当

ケントさん「……よかった」

お母さん「このパスタも初めて! 食感がいい! ケントの方はサラダある?」

ケントさん「ポテトサラダは食べてるよ」

お母さん「相変わらず野菜は食べてないの?」

ケントさん「うん」

画像6: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当

お母さん「昔っからそう! 好きな食べ物は炊きたての白米で、いつもケントの食べる時間に合わせて炊けるように頃合いをみてたもの」

ケントさん「あとは、母ちゃんのカレーうどんとワンタン、サバの味噌煮も大好きだよ」

お母さん「今でもリクエストあるもんね。今度は私が作るね」

二人「ごちそうさまでした」

画像7: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当
画像8: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当

ケントさん「これ、この前実家からこっそり持ち出した写真」

お母さん「かわいかったなぁ。ケントは本当に手がかからなかった。……と言うより、お兄ちゃんに手がかかって、全然相手をしてあげられなかったね。たくさん我慢させて、本当に寂しい思いをしたよね。それなのに私やお兄ちゃんを憎まず、今もこうやって大切にしてくれて、なんといっていいか」

ケントさん「……」

実は、ご長男であるお兄さんを二年前に亡くしているケントさん親子。そのことで立ち止まり、悲しんでいたお母さんを少しでも元気づけようと、ケントさんが毎月お母さんを誘って一緒に出かけるなど、親子の時間を大切にしています。今日はそんなお母さんにもう一つ渡したいものがありました。

画像9: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当

ケントさん「これ、親友がラップやっててアルバムを出したんだけど、兄ちゃんのことを思って書いてくれた曲が入ってるんだ」

「せっかくだから、母ちゃんにも聞いてほしい」

お母さん「……」

画像10: 感謝の気持を込めた花束のようなお弁当

お母さん「……すごいね、こうやって今もみんなの中でお兄ちゃんが生きているんだね」

ケントさん「うん。だからこそ、兄ちゃんが心配しないようにしっかり前向いて歩いていこう」

毎日のお弁当に詰まっていたもの

画像1: 毎日のお弁当に詰まっていたもの

毎日、お母さんが作ってくれたお弁当。それは親から子への「道しるべ」でした。せわしなく過ぎる日々の中で顔を合わせる機会は少ないけれど、お母さんからの「道しるべ」をしっかりと受け取り、自分の進むべき道を見つけ、一歩一歩着実にあゆんだからこそここまで来ることができました。これから先あゆみ続ける道も、振り返ればいつだって温かく見守ってくれているお母さんがいるはずです。

どんな時もあなたを支えてくれる家族に、ちゃんと「ありがとう」を伝えていますか? 普段なかなか素直に感謝の言葉を伝えづらい家族だからこそ、あなただけのかたちで「ありがとう」を伝えてみませんか?

画像2: 毎日のお弁当に詰まっていたもの

(ライター/板橋葵 カメラ/横山英雅 編集/大月真衣子)

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