親孝行エッセイ「“良い親子”になんかなれないけどさ」チェコ好き
私が小学校高学年くらいだった頃、原因は忘れたが、うちの父親と母親が、どうにもこうにも収拾がつかないほど大喧嘩をしていた。1週間以上の膠着状態を経て、母のほうに話をつけるのは無理そうだと考えた私は、拙い頭で一生懸命、「どうにか仲直りをしてくれ」と懇願する手紙を書いて、父に渡したのである。
余談だけど、私はいわゆる「コミュ障」である。文章でならいくらでも自分の思いを伝えられるし、それを仕事にもしているが、場を盛り上げたり、面と向かって会話をするのはどうも苦手だ。それは、たとえ相手が親であっても例外ではない。両親に仲直りしてほしいときも、恋人と喧嘩したときも、友人とすれ違いがあったときも、伝え...