休日朝、鼻歌交じりに意気揚々と家を出るお父さん。
行き先はどこなんだろう?
あれ、そういえば、普段お父さんはどうやって息抜きしているんだろう。

今回の企画は、子供がこれまで触れてこなかった父親の趣味に挑戦してみる「父の趣味、チャレンジ旅」。
全3回のチャレンジ旅でレベルアップを図りつつ、その趣味の魅力を探ります。
そして挑戦するのはこの記事を書いている私、ライター・ナカノです。

お父さんの趣味を振り返ってみる

今回チャレンジする私のお父さんの趣味は「キャンプ」!
長野県出身、在住の私は、自然に囲まれている環境ながら、キャンプの経験がほとんどありません。
いや、おもしろそうではあるのですが、どうして普段四方を山に囲まれた長野にいながら、わざわざアウトドアを楽しむの!?と思ってしまうのです。

思い返してみれば、私が幼い頃、お父さんにおんぶをしてもらって山に登ったり、川に行ったりといった、おぼろげな記憶があります。
私が高校生になる頃、経営していた建設会社が倒産し、自分の身一つで働こうと林業を始めたお父さん。チェーンソー片手に木に登り、枝を打つ特殊伐採と呼ばれる高所作業の林業に携わりはじめました。元々自然が好きだったお父さんですが、木と向き合う仕事に就いたことで、よりアウトドア愛が加速していったように思います。

△年季の入ったアウトドアアイテムたち…!

聞けば、最近のお父さんは仕事の合間にキャンプを楽しんでいるようです。普段の仕事は山の中での作業が中心なので、すきあらば火をおこしてコーヒーを入れたり、ウインナーを焼いてランチタイムを楽しんだり(炭火焼きでおいしそう)。もはや趣味と仕事が同化している……? 次々に増えるキャンプ用品をひとつひとつ自慢するお父さんの姿はとても楽しそうなんです。今回の体験を経て、お父さんとキャンプができたらいいなぁ!

とは言っても、私自身はアウトドア初心者。いきなりお父さんレベルのキャンプは難しそうなので、初回はアウトドア入門編、奥多摩の森でランチグランピング体験をしていきたいと思います。
グランピングとは、Glamorous(魅力的な)+Camping(キャンプ)のこと。道具や食材を持ち寄ることなく、自然の中で快適に楽しめるキャンプの形です。手ぶらで楽しめるなんて、キャンプ超初心者の私に最適……! 3回の連載で少しずつステップアップしていくぞ〜!

そして今回は2人の助っ人を呼び、3人でグランピングを楽しむことに!

トウドウ(左)
日焼けを極端に嫌うインドア派。紫外線が強いことで有名なオーストラリアに住む知人のすすめで、今日のために張り切って帽子を購入したが、非常に似合わないので悩んでいる。

ナカノ(中央)
自然に恵まれた環境で生まれ育った。幼い頃は、父親と共に山に登ったり川や海に遊びに行っていたが、歳を重ねるうちに虫が苦手になり、インドアな性格に。

タケタニ(右)
大阪育ち。普段からとてつもなく蚊に刺されやすい体質の為、インドア派。しかし、キャンプには興味があり、この企画を機にアウトドア女子を目指している。

私含め、キャンプの経験はほとんどなし。正直、このメンバーで大丈夫……?

都心からJR青梅線を使用し約1時間半、やってきたのは東京都奥多摩町の「OKUTAMA RIVER TERRACE」。

1日3組限定、奥多摩の大自然の中でランチグランピングを楽しめる施設です。

森の中にウッドデッキがあり、そこにテントを張って必要なキャンプ用品が備え付けてあります。
そして周りは一面の森! 緑の多い景色って目にも優しいですよね。

生い茂る木が目前に迫るテラス。眼下には川も流れています。さらにハンモックまで……!

△もちろん自宅にハンモックはないので、ここぞとばかりに寝てみました。ゆらゆら不思議な感覚で、一気にリラックスモードに。

今回は4時間のランチグランピングでこんな遊び方をしてきました!

■おいしい湧き水を調達!
■ボリューム満点なランチコース
■緑に囲まれてコーヒーブレイク
■涼を求めて多摩川の清流へ

まずはおいしい湧き水を調達!

到着して、まずは水汲みに!

トウドウ「このキャンプ場から200mほどのところに、地域の方が使う湧き水があるみたい」

ナカノ「よし働くぞ〜!」

そして早速3人で水を汲みに出発。

東京とはいえ、どこを見渡しても緑でいっぱい!
普段は車での移動が多い長野県在住の私。道端の花にゆっくり目を向けることも久しぶりかも。

こちらが地域の方が管理している水汲み場。
地域住民の方の生活用水でもあり、ご厚意で水を提供してくださっているとのことで、ありがたくお水をいただきます。

ひしゃくで水を汲んでいきます。

ナカノ「水って何をするのにどれくらい必要なのかがわからない」
トウドウ「満タンにしたら重いよね……?」

とさっそく不慣れな雰囲気をかもし出す私たち。

ひとまず半分くらいまで水をためて、テラスへ戻ります。
トウドウ「うわ〜意外と重い!」

ナカノ「そうだ、電柱をひとつ通過するごとに交換していきましょう!」

タケタニ「なんだか小学生の荷物持ちみたい(笑)」

BBQのいいとこどり!野菜も肉ももりもり食べられるランチコースを楽しむ

さて、戻ってきたら早速ランチの準備が始まります。
ひとつひとつのテントにスタッフの方がサーブしてくれるありがた〜いシステム。

タケタニ「食材の持ち込みや後片付けが不要なのはすごく便利かも!」

ちなみに本日のメニューはこちら。

奥多摩産鹿肉のBBQ
秋川牛ステーキ
サイボクゴールデンポークステーキ
奥多摩産きのこのアヒージョ
幻の馬鈴薯「治助」の焼きチーズフォンデュ
メイソンジャーサラダ
ご飯
デザート

BBQ、アヒージョ、チーズフォンデュ、メイソンジャーサラダと女性のツボを押さえたラインナップ。めちゃくちゃ豪華!

余談ですが、メイソンジャーサラダはお皿に移して食べるということをはじめて知りました。

ぐつぐつ煮えてきたチーズフォンデュ。香ばしいチーズの香りがただよってきて食欲が刺激される!

トウドウ「いやーもう早速グランピングが楽しくて仕方ない。楽すぎる」

ナカノ「自分たちでこれだけの料理をつくるとなると、下ごしらえがもう大変だもんね」

卓上の料理が出来上がっていく様子を待つ二人。家事力の差を見せつけられる。

まずは野菜を中心としたメニューがずらり。座っているだけでご飯がでてくるキャンプ……!
いよいよランチグランピングのスタート。みんなで元気よく「カンパイ!!」

ちなみに私が飲んでいるのは、奥多摩でつくられたクラフトビール!
VERTERE(奥多摩醸造麦酒)の『RED IPA』です。ここだけの貴重な味も楽しめてうれしい!

汚れない&簡単に扱えるロースターでの調理

次から次へと運ばれる食材。

備え付けのBBQグリルで焼いていきます!

トウドウ「あ、これ知ってる……よくBBQする人たちが持ってるやつ」
タケタニ「ロースターですね」

みんな扱うのは初めてですが、丁寧に使い方を教えてもらえるので安心!
ガスで簡単に火力を調節できるので、お肉を焦がす心配なし。

どんどん焼いていきます!

BBQにもってこいの、見るからに美味しそうな厚みのあるお肉!
スタッフさんの説明によると、これは東京都産の高級牛「秋川牛」。絶対おいしいやつ。

しっかり焼き目がついておいしそう……。

いい感じのミディアムレアに焼き上げました!

一口食べて、その美味しさに言葉を失う私。
森の中という非日常な環境もあいまって、さらに美味しく感じられます。

鹿肉のジビエは臭みがまったくなくてヘルシーだし

「サイボク」のゴールデンポークは甘い脂がジューシー!
三種類のお肉を楽しめるのが嬉しい。

トウドウ「リアルにお腹いっぱいになるね」
スタッフの方いわく、ぺろりと食べきる人は珍しいのだとか。

ひたすら焼いて一口サイズにカットしてくれるタケタニさん。女子力が高い!

とにかくお肉のボリュームがすごい!
食べて、食べて

食べまくって

締めの冷や汁でフィニッシュ!
ひんやり、そしてみょうがが効いていてさっぱり食べられる味でした。

トウドウ「洗い物のことを考えなくていいのが本当に楽だよね」

ナカノ「本当にそれは大きい! 楽ちん!」

さらに、食後にはフレンチプレスで入れるコーヒーまで!
みんなで汲んできた湧き水がここで大活躍しました。
先ほど汲んできた湧き水は「釜の水」といって、東京の名湧水57選にも選定されているきれいでおいしい水なんです。

とても上質な休日を送っている気分!

近くには、より涼を感じる多摩川の清流が!

腹ごなしを兼ねて、スタッフさんに教えてもらったルートをたどって、キャンプ場近くにある川まで行くことに。
5分ほど山道を歩いていくと

たどり着いたのは奥多摩川! キャンプをしている親子連れがたくさんいて、いかにも「夏の休日」な雰囲気!

足を入れてみましたが、めちゃくちゃ冷たい!
この日は35度を超える真夏日ということもあり、スッキリ気持ちよかったです。

タケタニ「ご飯もおいしいし、近くに川もあって、便利で楽なのにしっかりアウトドアを楽しめるのがいいですね」

最後に……

あっという間の4時間。おいしいご飯と自然のいいとこどりをして、キャンプ入門編の体験ができました!

ランチグランピングの終わりに、それぞれの感想を出し合ってみました。

ナカノ:キャンプ場に蚊取り線香があったからか、大きな虫が寄ってこなくて安心した(笑)。
トウドウ:後片付けをしなくてよかったので、時間ギリギリまで楽しめてよかった!
タケタニ:現実逃避できる空間でした……! ずっとここにいたい!

さらに、初心者ならでは? の、今回の気づきをまとめてみます!

・近くに水場がないのでウェットティッシュがあると重宝する
・夏場は動きやすく風通しのよい格好がよさそう
・キャンプ場の近くには川があることが多いので、川遊びを考慮して濡れてもよい靴があるとベター!

至れりつくせりのグランピングで、ついついゆったり。正直まだまだお父さんと本気のキャンプをするのは遠い道のりかも!?
次回はさらに、アウトドア要素を強めていきたいと思います!

取材協力:OKUTAMA RIVER TERRACE
取材・編集/ナカノヒトミ+プレスラボ
写真/飯本貴子

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