旅行に行くと、職場や友達へお土産を買うのは定番ですが、両親や義両親にはどうしていますか? 旅先でかさばってしまったり、渡すタイミングなどで消費期限が気になるのも、お土産ならでは。全国に28000人の部員を擁する女子部JAPAN(・v・)部員のリアルな声を交えながら、喜ばれるお土産の選び方や基本の知識をご紹介します。シリーズを読み込めば、贈りもののプロになれるかも!第6回は、親世代へ贈る旅のお土産事情をお送りします。
1、旅行に行ったら、両親や義両親にお土産を買うべき?
母の日や父の日、誕生日などといった恒例イベントと違って、お土産はよりカジュアルにできる贈りものの機会。家族や友達に渡すことで、旅行に行っていない人にも、自分が旅先で感じた楽しくワクワクする気持ちをおすそ分けすることができます。
お土産は日頃お世話になっている職場の人や友人に贈ることはよくあっても、両親や義両親にも買うべきなのでしょうか。女子部JAPAN(・v・)でのアンケートでは、両親へお土産を買っているという人は9割超え、義両親へは7割ほどという結果が出ました。義実家よりも実家に贈っているという人の方が多い結果になりましたが、全体で見ても親世代にお土産を贈っている人は多いようですね。
普段からお土産を渡しているという人は、その土地の定番の名産品にこだわらず、相手が喜びそうなものを選んでいることがわかります。相手が喜ぶ様子を思い浮かべてお土産探しをするのは、自分にとってもうれしいことですよね。
一方で、親世代との関係性や年齢のことも考えて、買っていく頻度やタイミング、お土産の内容を自分なりに工夫しているという人もいるようでした。
たとえば、両親や義両親が欲しがっていたものがたまたま見つかったら買う、帰省のタイミングと合うときだけ買う、海外旅行に行ったときには買うなど、自分の中でルールを決めているという意見も。
お土産は、必ずしも“物”でなくてもいいのかもしれません。海外旅行であれば現地で購入した風景入りの葉書でエアメールを送ったり、日本の旅先からでも絵手紙を描いて送ったり。また、素敵な風景に出会ったらスマホで写真を送って旅を楽しんでいる様子を伝えるなど、両親や義両親と楽しい旅の様子をシェアするのもいいですね。頻繁に旅行に行くようなら、毎回お土産を購入しなくてもこのような方法で旅の報告をしてみると、かえって喜ばれるかもしれません。
2、お土産を渡すときのマナーやタイミングは?
親しい人に贈るなら、地方の銘菓や名産品など、その土地でしか入手できない「味覚」を贈るのがおすすめ。とくに親世代であれば、気に入ったら後でいつでも通販でお取り寄せ可能な品をお土産に選ぶのもいいでしょう。相手の好みがわからないときは、置きものや装飾品などの残るものは避けて、食べものなどの「消えもの」を選ぶといいですね。
職場の人にお土産を渡す場合は、旅の自慢になるような品物は避けるのがマナーです。そして、休暇中にフォローをしてもらったお礼の気持ちを込めて、一人ずつ食べやすい小分けのお菓子などを持参するのがいいでしょう。
お土産を渡すタイミングは旅行から戻って一週間以内に渡すのがベター。賞味期限などはそれを見込んで選ぶようにしましょう。また、お土産にお返しは必要ありませんが、いただいた場合は口頭か電話や手紙でお礼を伝えるようにします。そして、次に自分が旅行をしたときに、お土産を買ってきて贈るといいですね。
3、荷物にならず、喜ばれる!便利な産地直送
お土産で悩ましいのが、荷物がかさばったり、重たくなってしまうこと。職場や友人、家族など、たくさんの人にお土産を買って行きたいけれど、荷物が多くなってしまうのは困ります。そこで便利なのが、現地からお土産を送ることができる直送便サービス。
とくに食べ物のお土産は、賞味期限や管理状態も心配に。そこで、現地から相手へ直接送ってしまった方が何かと安心です。ただし、直接送る場合は手配前に必ず相手に連絡して、確実に受け取れる日時を確認してからの方がいいでしょう。突然荷物が届くのは、かえって迷惑になってしまうこともあります。
お土産を手渡す場合は、賞味期限にも気をつけたいもの。産地直送便を利用すれば、その点に心配はありませんが、直接渡す場合は賞味期限に余裕があるものを選ぶのもポイントです。
また、国内のホテルや旅館によっては、お土産をまとめて宅急便で送ってくれるサービスを行なっているところも。チェックアウトのタイミングで手配すれば、帰宅した後に自宅に届き、お土産を自分で家族や友人に配ることができます。新幹線や電車、飛行機での旅の場合は荷物にならないので、ぜひ上手に利用したいサービスですね。
4、手土産とお土産、おもたせの違いとは?
「手土産」や「お土産」、「おもたせ」などの言葉を、日常で気軽に使ってしまいがちですが、それぞれ意味が異なる言葉です。年齢を重ねるにつれ、会社の関係者や目上の人に対して品物を贈ったりいただいたりする機会も多くなってきますので、基本的な知識として、その意味の違いを知っておきましょう。
<手土産>
手土産とは、友人や親戚などの家を訪問する際に持参する品物のことで、訪問する感謝の気持ちを込めて渡します。
<お土産>
お土産とは、自分が旅行へ行った際に、家族や友人、会社の同僚たちに渡す目的で買った品物のことを言います。会社の場合は、休暇中のフォローに対するお礼の意味もあります。
<おもたせ>
手土産は訪問する側が贈る品物に対して、おもたせは受け取る側から見た品物を指します。手土産と同じ品物を指すため、混乱しやすいので注意しましょう。
おもたせを受け取ったとき、それがお菓子などすぐに食べられる品物であれば、一緒にその場でいただくのがマナーです。その場でいただく際は、「おもたせで失礼ですが」という一言を必ず添えるようにしましょう。
<ミニコラム>
旅先で時間を作れないなら、お取り寄せを活用しよう
旅先で自分が美味しいと思ったものを家族にも買って行ってあげたり、贈る相手が欲しがっていたアイテムをたまたま見つけたり…。そんな旅先でのお土産との出合いがあった場合でも、持ち帰るのが大変だったり、その場で手配できないことも。こんな悩みを持つ人もいるようです。
せっかく旅行をしているのに、お土産のことばかりが気になってしまうのはちょっともったいないですよね。そんな時は、旅行から帰った後に、お取り寄せサイトなどで注文して贈るのもひとつの手。現地でパンフレットなどをもらっておけば、帰宅後に自宅のパソコンを使って注文することもできます。
お取り寄せグルメ以外でも、国内・海外のお土産をパソコンから注文・購入できるサイトもあるので、買う時間がなかったり、うっかり買い忘れてしまった場合などに、後から購入することもできます。
お取り寄せグルメや産地直送便、お土産宅配サービスなども、都合に応じて取り入れるのが贈りもの上手になるコツのひとつ。旅行に行くたびにお土産を買うことが当たり前になってしまうと、義務のようになってしまい、品物を見つけるために時間を費やしてしまいます。そうならないためには、自分の中でルールを決めておいたり、便利なお土産選びの方法を知っておけば、無理なく気負わずにお土産を贈ることができそうですね。
高齢の両親や義両親にとっては、自由に旅行へ行ったり、長距離間を移動したりすることが難しい場合も。そこで、お土産という形で旅の楽しい気分をおすそ分けするのもいいですね。現地から直送できるサービスを利用したり、お取り寄せグルメなどを活用することで、旅を満喫しながらもお土産を贈ることもできます。お土産には厳しいマナーはありませんが、ちょっとした気遣いがさまざまな人間関係を円滑にしてくれることもあるでしょう。
女子部JAPAN(・v・)
シニア向けのスマホ講座のカリキュラム作成や講師を担当、スマホの使い方ガイドを制作・監修するなどをしている女子集団。スマホ以外でも、女子にまつわるさまざまな情報を発信したり、イベントを開催しています。
イラスト/なかがわみか
参考文献/手紙の書き方と贈り物のマナー 著・矢部惠子
贈り方とマナーとコツ 監修・岩下宣子
高島屋のしきたり事典 著・高島屋