母との旅行なんて、いつぶりだろう?思い出せないくらい遥か昔です。

私が会社に勤めて、一人暮らしを始めてからというものの、母に会うのはお正月かお盆かの年に1,2回です。

「あとどれくらい、母に会えるのだろう。」

ある日そんなことを考えて、急にさみしくなりました。

いつかいつか、と先延ばしにしてきたけれど、母を旅行に誘おう。
有給休暇をとって、母が好きな京都に二人で行くことに決めました。

京都駅で待ち合わせ

待ち合わせは京都駅のホームです。ちゃんと会えるか心配だったけれど、無事に合流できました。母に会うのは約半年ぶり、疲れてないかな?と少し心配でしたが、念願の京都に来れて笑顔でいっぱいの母の姿を見て、ほっとしました。

観光をはじめるまえに、京都駅近くにとっておいたホテルに行って、荷物を預かってもらいます。

最初向かったのは、南禅寺です。京都駅から市バスに乗って、南禅寺・永観堂道で降りて徒歩10分、市バス料金は一律230円です。

母は昔から湯豆腐が大好きなので、湯豆腐の発祥地である南禅寺周辺にいつか一緒に行きたいなと思っていたんです。お目当ての湯豆腐屋さんに行くと、すでに行列ができていて、20分ほど待って、席に通してもらえました。

画像1: istock

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井戸からくみ上げた水でそのお店で作っているという豆腐に、天ぷらや田楽なども付いてくる、精進料理のコースでした。

絶品だったのはやっぱりお豆腐。なめらかなのに濃厚で、これは京都に来ないと食べられない味です!「こんなに美味しい湯豆腐は食べたことがないね!」と、二人で感動しちゃいました

その後は南禅寺やその周辺を散策。
季節はちょうど春で、桜がとてもきれいに咲いていました。

旅行に来る前に京都に詳しい知人に、京都で桜を見るならどこがおすすめか聞いてみたところ、とっておきのイベントを紹介してくれて、チケットまで取ってくれました。京都では神社や寺でコンサートがよく開かれているらしいんです。

今回は神社で夜桜を見ながらの、チェロやバイオリンのコンサート。日が暮れる頃に神社に到着、私も母も、野外コンサートははじめての体験で、ワクワクします!
境内に入ると、普段は公開されていない庭園が解放されていて、見事な満開のしだれ桜の回廊を歩くことができました。

二人で桜を背景に、記念撮影。

「この綺麗さは、夢か幻のようね」
と母はとてもうれしそうです。

私は桜と、それをうっとりと見つめる母の横顔をそっと写真に収めておきました。

境内を移動して、コンサートが行われる場所へ。池の奥にステージがあって、幻想的にライトアップされた桜を背景に、生演奏が始まりました。池にも桜が映っています。豊かで幸せな時間がゆったりと流れていきました。

2日目は祇園に

2日目は祇園に行くことに。来月の母の日には会えないと思うから、一足先に感謝の気持ちを込めてランチをご馳走することにしていました。

花見小路の近くにある小さな料亭での懐石料理のランチは素晴らしかったです!

「京料理って、どうしてこんなに繊細なんだろうね」
と、二人で話しながらゆっくり時間をかけて食事を楽しみました。

食事の後は、祇園界隈を散策しました。

画像2: istock

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最後に、近くの円山公園の桜を見に行きました。京都で最初につくられた公園だそうです。有名なしだれ桜のほかにも、約680本もの様々な種類の桜の木が植えられている公園。まさに桜は見頃の時期を迎えていました。

「お母さん、いつまでも元気でいてね。また一緒にいろんなところの桜、見に行こう」

そう声をかけると母は微笑んで、

「久しぶりに二人でゆっくり過ごせて楽しかったね、ありがとう」
と言ってくれました。

母と過ごした京都旅行は忘れられない思い出になりました。毎日仕事やいろいろな付き合いで忙しいけれど、かけがえのない家族との時間はもっと大切です。これからも親孝行をしていきたいと心から思いました。

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