人生の伴侶である旦那さんを育ててくれたお義母さん。お義母さんがいなければ、隣で笑っている旦那さんは存在し得ませんでした。今の幸せの基盤を築いてくれたお義母さんに、感謝の気持ちを込めてギフトを贈りたい。……だけど、何を贈れば喜んでくれるんだろう?
そこで、ギフトアドバイザーとして一番の適任者である「お義父さん」を呼び、お嫁さんと二人で街へ繰り出すこの企画。
名付けて、「義父とギフト」!(だじゃれ)
今回、お義母さんにギフトを贈るのは東京に住むアヤカさん。旦那さんのカズキさんとは会社の交流会で出会い、2018年の3月に結婚。まだ新婚さんです。カズキさんのご両親とも仲が良く、たのしい結婚生活を送っているそう。
そして颯爽と登場したこの陽気な男性が、今回のもう一人の主人公、アヤカさんと一緒にギフトを探してくれるお義父さんです。
アヤカさん「お義父さん、なんか表情が固いですよ(笑)」
お義父さん「ほんと? もう一回撮り直そうか?」
普段からめっちゃ仲が良いのが伝わってくる二人のこの笑顔。これはなかなか良いギフトが見つかりそうな予感がしますね。
作戦会議でお義母さんへ贈るギフトを決めよう
2人は近所のおしゃれカフェに移動。腰を据えて、お義母さんへ贈るギフトの作戦会議をします。
アヤカさん「お義母さんに日々の感謝の気持ちを伝えるために、ギフトを贈ろうと思っているんです。なにが喜ばれますかね?」
お義父さん「そうだなあ……嫁さんは料理が好きだから、食器とか喜ぶんじゃないかな。これまでちゃんと食器を選んだりすることもなかったから、ちょっと良いものを贈ってあげたらいいかもね」
アヤカさん「食器……なるほど! でもお義母さん、どんな食器が良いんですかね」
お義父さん「そこはアヤカちゃんの趣味で良いと思うよ。きっとその方が嫁さんも嬉しいんじゃないかな」
アヤカさん「じゃあ……私の生まれ故郷である、愛知県の焼き物なんかどうでしょう?」
お義父さん「なるほど、アヤカちゃんの故郷の土で焼いた食器をプレゼントするのか。それは面白いね〜!」
アヤカさん「はい、新しく食卓に仲間入りさせてもらう意味も込めて!」
お義父さんのヒントを元に、斬新なアイデアが生まれた二人。お嫁さんの生まれ故郷の土で焼いた食器をプレゼントし、そこにお義母さんの手料理が載る。なんて出来すぎた素敵ストーリーでしょうか。編集部としても文句のつけようがありません!
そこで、都内で愛知県の焼き物を購入できる場所を探し、2人は都内の食器店へ向かうことにしました。
義父と瀬戸窯元のお店でギフトを探す
そこで二人がやってきたのはJR御徒町駅の高架下に広がる「2k540 AKI-OKA ARTISAN」。ここは「ものづくり」をテーマにした施設で、伝統工芸品をはじめさまざまなショップや施設が並んでいます。
今回お世話になるのは、愛知県瀬戸市にある窯元「翠窯」の実店舗「SUIYOU TOKYO」。店内には陶芸家穴山大輔氏の作品が並び、1,000年以上の歴史を持つと言われる本場瀬戸の焼き物を、手に触れて購入することができます。ここで、お義母さんへのギフトを選びます。
アヤカさん「このお店で人気の作品はどちらになりますか?」
店員さん「購入される方が多いのがこちらのカレー皿ですね。ひとつひとつ手作りで、まん丸ではなく、あえていびつに歪ませてあります。深さがあるので、カレーがすくいやすいんですよ」
アヤカさん「へええ、カレー専用のお皿……! 面白いですね」
店員さん「発色や模様がどんな風に現れるのか、窯を開けてみないとわからないのでひとつひとつ表情が違うんですよ」
お義父さん「本当だ。マットな印象のも良いけど、ツヤがあるのも良いね」
アヤカさん「おっ。お義父さんお気に入りですね。たしかにこのお皿素敵ですよね」
お義父さん「うん。これなんかさ、カレーだけじゃなく煮物とか載せたら渋くてかっこいいんじゃないかな。パスタなんかも映えると思うな〜」
カレー皿を気に入った様子のお二人。特にお義父さんは瀬戸の焼き物をかなりお気に召したようで「これもいいな〜。わ! こんなのもあるんだ」と店内の焼き物を手にとっては嬉しそうにつぶやいています。
お義父さん「このコップもさ、さっきから気になるんだよね〜」
アヤカさん「わかります。この感じすごくいいですよね」
お義父さん「どうしようかね〜これもセットでいっちゃう?」
こうして、カレー皿2枚とコップを2個購入することに。
二人で選んだお義母さんへのギフト。アヤカさんと同郷のこのギフトを、果たしてお義母さんは喜んでくれるのでしょうか?
家族だからこそ、夫婦だからこそ「ありがとう」を
お義母さんが待つ実家に向かう道中、2人は近くの公園を散歩することに。
アヤカさん「そういえばお義父さんって、はじめて私と会ったときどう思ったんですか?」
お義父さん「うーん……そうだなあ、やっぱ息子は親父に趣味が似るのかなって思ったかな」
アヤカさん「えっ(笑)どういうことですか」
お義父さん「ほら、アヤカちゃんはうちの嫁さんと顔の形が一緒でしょう」
アヤカさん「卵型ってことですね(笑)」
お義父さん「まあそれは冗談だけどさ、ほわっと優しい印象だったから、息子は一緒にいて緊張しない人を選んだのかなぁと思ったね。そこは僕と一緒だなって」
アヤカさん「そう言ってもらえて幸せ者ですね私」
アヤカさん「カズキさんってどんな子どもだったんですか?」
お義父さん「カズキは初めての子だったからね。僕ら親もよくわからずに、母乳とミルクをガブガブ飲ませすぎてぽっちゃり体型になっちゃんだよ」
アヤカさん「えーっそれは初耳です(笑)」
お義父さん「妹や弟をいじめたり、親に反抗したりとか、そういうのはない穏やかな子だったね」
アヤカさん「これまでの人生で、誰かと喧嘩をしたことがないって言ってましたよ。私驚いちゃって」
お義父さん「そりゃよくできた人間だね(笑)」
アヤカさん「それに、毎晩必ず私に向かってありがとうって言ってくれるんです。なんでもない日なのに、必ず」
お義父さん「うん、それは子どもたちに教えてきたことかな。家族でも、当たり前だと思わず、日々ちゃんと感謝をしていこうって」
アヤカさん「それは夫婦円満の秘訣でもあるんですかね」
お義父さん「そうだね。僕は嫁さんにちゃんと感謝するようにしているよ。まあ、嫁さんに言わせれば私の方がいつもしてる!って言われちゃうかもしれないけどね(笑)」
カズキさんが普段からアヤカさんにしている行動にも、ちゃんとお義父さんの想いが受け継がれていたんですね。彼女にとって初耳だった話も聞け、この散歩の時間はお義父さんからアヤカさんへのささやかなギフトのようでした。
お義母さんはギフトを喜んでくれるのでしょうか?
こちらが、アヤカさんのお義母さん。たしかにアヤカさんと同じ卵型のお顔です。長い間幼稚園の先生として働いてきたお義母さんは、明るくてハキハキとした印象。それでは二人から、ギフトを渡してもらいましょう!
二人「お納めください」
お義母さん「もう……! やだなにそれ!」
アヤカさん「今日はお義父さんに手伝ってもらって、お義母さんへのギフトを探してきたんです。いつもお世話になっているので……」
お義母さん「えーっ誕生日でもないのに」
お義母さん「なんだろうな〜」
お義母さんは笑顔をこぼしながら、ゆっくり丁寧に包みを開けていきます。
お義母さん「わあ……素敵なお皿! ありがとう、アヤカちゃん」
アヤカさん「それ、私が生まれ育った愛知県の土で焼いたお皿なんです。お義父さんと相談しながら、そのカレー皿を選びました。コップも一緒に使ってください」
お義母さん「そうなんだ、大切に使うね……」
そこにアヤカさんの旦那さんであるカズキさんが登場。二人が贈ったギフトを鋭い眼光で眺めます。
カズキさん「ふんふん、これを? アヤカと親父が? ほう、ほう」
お義母さん「どう? 素敵でしょう?」
カズキさん「……………………」
カズキさん「すっごい素敵」
お義父さん「やっぱりお前はよくできた人間だよ……」
贈ることで自分ももらえるギフトがある
ギフトを贈ることで、新たに見ることができたお義母さんの笑顔。それに、今日1日ギフト選びを通して、アヤカさんとお義父さんの仲もより一層深まったようです。もしかしたら、これがなによりのギフトなのかも。
かけがえのない暮らしを支えてくれているお義母さんに、あなたも日頃の感謝を乗せてギフトを贈ってみませんか? お義父さんをアドバイザーに迎えれば、いつもとはまた違う素敵なギフトに出会えるはずですよ。
ライター/サカイエヒタ(ヒャクマンボルト)
写真/横山英雅
編集/ヒャクマンボルト
取材協力:
瀬戸窯元「翠窯」SUIYOU TOKYO
東京都台東区上野5-9-12 2K540 AKI-OKA ARTISAN C-2
営業時間: 11:00~19:00
定休日:毎週水曜