学生時代、毎日早起きをして自分のためにお弁当を作ってくれたお母さん。
喧嘩した次の日も、ちゃんとお弁当を用意してくれていたお母さん。
特別な日には、お弁当に好物をそっと入れてくれたお母さん。

あの頃は照れくさくて言えなかった感謝の気持ちを、大人になった今、息子さんからお母さんへ「お弁当」というかたちで恩返しします。題して、「恩返し弁当」。

昔から変わらない好奇心旺盛な末っ子

画像1: 昔から変わらない好奇心旺盛な末っ子

今回お母さんへ「恩返し弁当」を作ってくれるのはリクマルさん。二人姉弟で、昼間は大手企業に勤めながら、夜はDJとして活動しています。最近はDJを派遣する音楽系の会社を起業するなど、アクティブな彼。実家に帰った際は、ほとんど寝てしまっているので、なかなかお母さんとゆっくり話をすることはないそう。今日は早起きをして、お母さんとの思い出のお弁当を作ります。

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リクマルさん「小さい頃から好奇心旺盛で、やりたいことは片っ端から挑戦していました。野球にサッカー、キックボクシング、ピアノ……なぜか日本舞踊まで(笑)。そんな自由奔放な息子を、お母さんはいつも応援してくれましたね。DJを始めた時も、最初は深夜の外出など心配はしていましたが、今は認めてくれています」

リクマルさん「中学からラグビースクールに入り、高校では本格的にラグビーをやっていました。その時のお弁当は、とにかく“肉”、もしくは“炭水化物”!! って感じでした。でも時々パスタの日があって、すごく嬉しかったのを覚えています。ということで、今日はパスタ弁当を作ります」

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珍しくキッチンに立つリクマルさんを心配したのか、愛犬が覗きに来ました。実家ではほとんど料理をしないというリクマルさん。大学生の時にキッチンのバイトをしはじめ、パスタは作れるようになったそう。社会人になり、一人暮らしをしてからは自炊も増え、本人曰く、「料理はできる!」とのこと。今日は自分の得意料理でお母さんに「恩返し弁当」を作ります。

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今の自分があるのは、お母さんの言葉のおかげ

画像1: 今の自分があるのは、お母さんの言葉のおかげ

リクマルさん「パスタソースは出来合いですが、ベーコンと鷹の爪、ニンニクでアレンジしています! 後はバターコーンなんですが、お母さんのはほうれん草が入っていた気がするんですよね。これ、ほうれん草って茹でるんでしたっけ?」

手際よくベーコンを炒めますが、パスタ以外はちょっと心配そう。

リクマルさん「お姉ちゃんの影響でBLACKMUSICが好きになり、大学時代はバイトをして貯めたお金で半年間NYの学校に通いました。そこで本場のHIPHOPカルチャーに触れて、DJを極めたいと思っていました。ですが、親から好きなことだけで生きていくのは難しい、会社員として社会で学ぶことも大切だと言われていたので、就職活動をしたんです」

リクマルさん「会社に就職をしてからも、DJとしての活動はやめずにいたんです。そのうち、会社の仕事もDJの仕事も、どちらの経験もお互い活かせる事に気がついたんです。そこから、DJとしての活動だけでなく、それを活かせる場所を作りたいと思い起業しました。やりたいことをなんでもやらせてくれた親の育て方があっての今だと思います」

画像2: 今の自分があるのは、お母さんの言葉のおかげ
画像3: 今の自分があるのは、お母さんの言葉のおかげ

リクマルさん「パスタを調理する上でのポイントは、茹で上がりにオリーブオイルでしっかり和えること! そうすると、冷めても麺がくっつかなくなります!」

さすが、パスタを作る手つきはお手の物! 鍋を振る姿も様になっています。アッと言う間に美味しそうなトマトパスタが出来上がりました。

ちょっと茹ですぎたほうれん草、味付けはお塩だけ

画像1: ちょっと茹ですぎたほうれん草、味付けはお塩だけ
画像2: ちょっと茹ですぎたほうれん草、味付けはお塩だけ

ほうれん草をコーンと一緒にバターで炒めます。味付けに醤油を入れるか悩みましたが、今回はシンプルに塩を使いました。

リクマルさん「多分、お母さんは塩で味付けしていたはず……。パスタは多めに作ったから、お父さんの分も置いておこうっと」

画像3: ちょっと茹ですぎたほうれん草、味付けはお塩だけ

さあ、バジルとベーコンのトマトパスタ、ほうれん草コーンバターのお弁当ができました。デザートのマスカットの鮮やかな色合いもいいですよね。いよいよお母さんと公園で待ち合わせして、サプライズでお弁当をプレゼントします。初めて食べる息子からの手作り弁当、お母さんはどんな反応をするのでしょうか?

待ち合わせ場所は、愛犬との散歩道にある公園

画像1: 待ち合わせ場所は、愛犬との散歩道にある公園

お母さん「どうしたの〜?」

いつもは飛ぶように出回っている忙しい息子さんからの急な呼び出しに、少しだけ戸惑うお母さん。家からすぐのこの公園は、家族みんなが使う散歩道で、お母さんお気に入りの休憩スポットです。木陰が涼しく、気持ちが良さそう。

画像2: 待ち合わせ場所は、愛犬との散歩道にある公園

お母さん「リクマルは小さい頃からとにかく欲張りでしたね(笑)。あれもやりたい、これもやりたい、空いた時間に何ができるか考えて、いつも予定を詰め込んでいました。小学生の頃から、数え切れないほどの習い事やクラブ活動に毎日飛び回っていましたが、中学でラグビーに出会い、高校はラグビーの強い学校に入学。やりたいことを見つけて、ひとつに集中する力もついたのかな? と思います」

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お母さん「リクマルが中学までは転勤もあり、子どもたちには辛い思いもさせたかもしれません。それでも新しい環境で、初日からお友だちの名前を話してくれる姿に、子どもってたくましい! 私も頑張ろう! と、励まされました」

悩んでいる暇もないほど忙しかったと話すお母さん。そんな子育てもすっかり手が空き、現在は太極拳の講師をしているそう。

さぁ、そんなお母さんに10年越しの「ありがとう」をお弁当という形で伝えます。

勝負料理は家族みんなが大好きなパスタ

画像1: 勝負料理は家族みんなが大好きなパスタ

緑の綺麗な公園で、木陰にあるテーブルベンチを見つけて座ります。二人で並んで座るなんて、なかなかないので、ちょっと恥ずかしそう。急に渡された紙袋に驚くお母さん。リクマルさんは、ちょっぴり自慢げです。

リクマルさん「はい、どうぞ」

お母さん「えっ!! なに?」

リクマルさんとのゆっくりとした時間に喜んでいたうえに、さらにお弁当のサプライズ。しかし、そこはしっかり者のお母さんです。

お母さん「なぁに? お弁当箱?ちゃんと作れてる?」

自信満々だったリクマルさんも、ちょっとだけ心配になってきた様子。

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お母さん「リクマルが家で料理してるのなんて見たことないよ〜?」

リクマルさん「一人暮らしの時は自炊してるじゃん(笑)。とりあえず食べよ!」

お母さん「いただきます!」

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お母さん「あー! パスタだぁ〜!」

リクマルさん「うん! お母さんもパスタ弁当作ってくれたことあったよね?」

お母さん「あったね! でも私はミートソースが定番。リクマルはアルバイトでパスタ作っていたから、美味しいのたくさん作れるもんね」

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お母さん「美味しい〜!! 冷めてもパスタが固まってないね!」

リクマルさん「よかった…。麺を茹でた後にオイルまぶしてるからね!」

お母さん「そう、それ! 教えてもらってから、お母さんもちゃんとやってるよ」

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リクマルさん「高校の時はお弁当の大きさもこんなもんじゃなかったし、この他に大きいおにぎりを持って行ってたよね」

お母さん「そうそう。栄養士さんから指示もあって、とにかく身体を大きくするために頑張ったよね。ご飯もリクマルのために3合炊いたもん」

リクマルさん「おかげさまで、入学時は59kgだった体重は卒業時には75kgになったからね!」

お母さん「え、うそ?? そんなに?」

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お母さん「お! コーンバターもお上手! バターの風味がいいね!」

リクマルさん「よかったぁ〜! 我が家の味を再現しました!」

お母さん「心配しなくても、ちゃんと料理できるようになるのね(笑)。時々自炊の写真送ってくるけど、あれ時間が遅すぎ! あんまり無理しないでね」

リクマルさん「時間足りないんだよね。相変わらず、やりたいこといっぱいだからさ」

お母さん「DJやって朝まで出かけてるからよ〜」

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リクマルさん「でも、仕事でも親が教えてくれたことはたくさん役に立ってるよ。転勤を経験して、人の名前を覚えること、名前で呼ぶことの大切さを知ったよ。小さい頃にお母さんが、やりたいことをなんでも応援してくれたから、やる前から諦めないで、まずはやってみよう!って思えるんだ。そのおかげで、DJと昼間の仕事、あとは自分の会社も、全部を汎用的に活かしながら両立してるつもり」

お母さん「そっか……。もうすっかり、あなたの人生を歩んでるのね」

画像8: 勝負料理は家族みんなが大好きなパスタ

お母さん「美味しかったです、ごちそうさまでした」

リクマルさん「あ、全部食べてくれた? よかった〜!」

お母さん「85点ってところかしら?」

リクマルさん「え? 100点じゃないの(笑)」

お母さん「自分の子どもには一生100点なんてあげないわよ!それが親ってもんよ」

毎日のお弁当に詰まっていたもの

画像1: 毎日のお弁当に詰まっていたもの

毎日、お母さんが作ってくれたお弁当。それは育ち盛りの子どもの「成長の記録」なのかもしれません。すくすくと成長する子どものお弁当箱は、どんどん大きくなって、苦手だったあれやこれも、残さず空っぽで戻ってくる。いつの間にかご飯やおかずが入りきらなくなり、おにぎりを別に持っていくなんてことも。

台所の戸棚に眠る歴代のお弁当箱たちの中には、きっとかけがえのない時間がぎゅっと詰まっています。

どんな時でもあなたを支えてくれる家族に、ちゃんと「ありがとう」を伝えていますか。普段なかなか素直に感謝の言葉を伝えづらい家族だからこそ、あなただけのかたちで「ありがとう」を伝えてみませんか?

画像2: 毎日のお弁当に詰まっていたもの

ライター/板橋葵
写真/高山諒(ヒャクマンボルト)
編集/サカイエヒタ(ヒャクマンボルト)

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