画像1: :肩たたき券:アップデート!第4話 <前編>

今回の贈り主は、大阪でグラフィックデザイナーをされている早紀さん。
10年前、専門学校に通学するために姫路のご実家を離れて以来、ずっと大阪に在住。ひとり暮らしで仕事が忙しい早紀さんの体を心配するご両親に、1週間に1度はメールし、1〜2ヶ月に1回は帰省したりするように心がけているそう。「今は姉が結婚して子どもができ、実家の近くに住んでくれていますが、私ももっと両親と一緒に過ごせる時間を作りたいと思っています。この機会に、もっとその時間が増えればいいですね」

画像2: :肩たたき券:アップデート!第4話 <前編>

早紀さんの肩たたき券製作を担当するのは、イラストレーターのたかせちなつさん。初対面の2人、お互いちょっと緊張気味の様子…。
たかせさん「え!?グラフィックデザイナーさんですか?早紀さんが作られた方が上手だったりして…」
早紀さん「いえいえ、どうぞよろしくお願いします」
たかせさん「仕事では、誰かの前で描くことがあまりないので緊張します。手伝ってくださいね!」
早紀さん「は…はい!」

画像3: :肩たたき券:アップデート!第4話 <前編>

何やら謙遜気味のたかせさんですが、数々の書籍や雑誌で活躍されている、売れっ子イラストレーターさんです。様々なタッチを使い分け、絵画やイラストだけでなく、立体作品や手芸作品なども制作し、個展も意欲的に開催されています。題材をおもしろおかしく表現するのも大得意のたかせさん。最近は、マンガに起こす仕事も増えているそう。今回の「肩たたき券」では、どんなアイデアが飛び出すのでしょうか?

画像4: :肩たたき券:アップデート!第4話 <前編>

…と、たかせさんがおもむろにバッグから取り出したのが、かなり年季の入ったカード。約10年前に、たかせさんご夫妻が引っ越しをされた際、小学生の女の子からプレゼントされたカードだそうです。二つ折りのカードを開けると、四つ葉のクローバー型にカットされた両端に、たかせさんと旦那様の似顔絵が飛び出す仕組みになっています。
「こんな風に、飛び出すカードにしたら、驚いてもらえるんじゃないかと思って」。他のパターンの試作品もいくつか用意してきてくれ、早紀さんに披露するたかせさん。「わー、かわいいですね!」と、早紀さんも気に入った様子です。

画像5: :肩たたき券:アップデート!第4話 <前編>

ご両親への優しさが溢れ出す、早紀さんの想い

画像1: ご両親への優しさが溢れ出す、早紀さんの想い

職業がグラッフィックデザイナーというだけあって、小さい頃から絵を描くのが好きだったという早紀さん。「描いた絵は残してくれて、玄関などに飾ってくれています。肩たたき券も小さい頃に作った記憶はあるのですが…詳細は覚えていません。単なるお手伝い券だったような気がします。アップデートさせて、記憶に残る喜んでもらえるカードにしたいですね」

画像2: ご両親への優しさが溢れ出す、早紀さんの想い

「じゃあどんな内容にするかを書き出してみましょうか?」とたかせさん。早紀さんの想いを聞きながら、具体的に「肩たたき券」のネーミングを考えていきます。事前にあまり考えていなかったという早紀さんですが、いざ考え始めると、ご両親への優しさと思いやりが溢れ出て…。親孝行な早紀さんの気持ちがこもった内容になりました。

その1:2泊3日で北海道グルメツアー券

早紀さん「一昨年くらいからお母さんと東京ディズニーシーや出雲大社などに、旅行するようになったんです。でも、お父さんは飛行機が嫌いで、お母さんと二人で近場へ出かけるくらい。お母さんが北海道でおいしいものを食べたいと言っていたので、プレゼントして、父も一緒に旅行してくれたら嬉しいです。両親二人で行ってくれてもいいのですが、私も一緒に行くと言ったら、お父さんも飛行機に乗ってくれるかもしれないですね」

その2:お父さん、お母さんに 早紀セレクト全身コーディネート券

早紀さん「以前、お母さんに服をコーディネートして、美容室でヘアメイクを頼んであげたことがあったのですが、その時選んであげた服をよく着てくれているんです。お母さんは、私が実家に置いている服もよく着ているようで(笑)。お父さんは、いつも自分で服を買っているので、今度はお父さんの分も一緒に選んであげたいですね。二人でちょっといい所にも出かけられるような、普段でも着られる服を、靴もバッグも含めて全身コーディネートしてあげたいです」

画像: その2:お父さん、お母さんに 早紀セレクト全身コーディネート券

その3:お母さんのハンドメイドショップをWEBで公開する券

早紀さん「お母さんは手芸が得意で、小さい頃はよく洋服や小物を作ってくれました。最近は編み物に凝っていて、孫にアンパンマンの帽子を編んであげたり、父や私にストローハットを作ってくれたり。近所の友達にもたくさんあげているようなのですが、まだ、家にはたくさん作品が溜まっているようなんです。だから、それらの作品をネットショップで売れるようにしてあげたい。できれば、ネットショップのWebデザインは私がしてあげたいです」

その4:アウトドアの趣味を応援する券

早紀さん「お父さんは、定年退職してから家にばかりいるので、運動不足で体を壊さないかが心配。お母さんも気にかけているようなので、アウトドアの趣味を持って、もっと体を動かしてほしいと思っているんです。姉の家族と一緒に家の庭でバーベキューをする時は、率先して焼いてくれたりするので、アスレチックのあるような公園に出かけて、みんなで運動をした後バーベキューを楽しむのもいいですね。お父さんは、コーヒーを製造する会社に勤めていたので、おいしいコーヒーを淹れてくれたら嬉しいな」

アイデア満載の楽しいカードが完成!

画像1: アイデア満載の楽しいカードが完成!

カードの内容とネーミングが決まったら、いざ、カード作りを開始!
たかせさん「『北海道グルメツアー券』は、北海道の形をしたカードにしましょうか?お父さんも飛行機に乗ってくれるように、3人で飛行機に乗っているイラストを描いて、飛び出す仕掛けにしたらどうかな?」
慣れた手つきで、緑の画用紙をチョキチョキと北海道の形に切り取るたかせさん。早紀さんとご両親が飛行機にまたがっているイラストは、鉛筆で下書きをして慎重に。「その似顔絵、似てる!」と、早紀さんも気に入った様子です。

画像2: アイデア満載の楽しいカードが完成!

カードのネーミングは、なんとペンで一発書き!「すごい!さすがですね」と感心している早紀さんに、「色はお願いしますね」とたかせさん。たかせさんが持参した色鉛筆を使って、早紀さんがカラフルに色を付け、みるみるカラフルでかわいいカードが出来上がっていきます。

画像3: アイデア満載の楽しいカードが完成!

たかせさん「『全身をコーディネート券』は、カードを開けたら、素敵に変身したご両親が現れるというのはどうかな?」
試行錯誤した結果、フィッティングルームの扉を開けると、全身コーディネートされたご両親が現れるという仕組みに決定。ご両親の服の色や柄は、早紀さんが担当。若々しくコーディネートされたご両親のイラストが完成しました。

画像4: アイデア満載の楽しいカードが完成!

『ハンドメイドショップをWebで公開する券』は、パソコン画面から帽子が飛び出してくるカードに。パソコン画面のイラストは、早紀さんが描きました。『アウトドアの趣味を応援する券』は、お父さんが好きなコーヒーをモチーフに。

画像5: アイデア満載の楽しいカードが完成!

こうして、早紀さんの想いとたかせさんのアイデアが詰まった、楽しい肩たたき券4枚が完成しました!
早速、肩たたき券を直接手渡しするべく、早紀さんは実家に帰省します。

後編へつづく)

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