趣味の発表の場として、ステージや展覧会などの晴れの舞台にお誘いを受けたとき、どんなものを贈るのがベストなのでしょうか。全国に28000人の部員を擁する女子部JAPAN(・v・)によるリアルな声を参考にしつつ、お祝いのシーンでのマナーやコツをつかみましょう。シリーズを読み込めば、贈りもののプロになれるかも!第5回は、展覧会や発表会、開業などお祝いの場での贈りもののマナーについてお送りします。
1、習い事や趣味の発表の場には、お祝いや差し入れを持参するべき?
親や友人、お世話になった方、恩師などから、習い事や趣味の発表をする展覧会や発表会、ステージなどに誘われたことはありますか? このような機会は日頃の成果を披露する場であり、ご本人にとってはとても大切なイベント。招待状が届いたら、できるだけ会場に足を運ぶようにしましょう。
その際に、お祝いや差し入れなどは持参すべきなのでしょうか。女子部JAPAN(・v・)部員のリアルな声をひろってみました。
このように、お祝いの品や差し入れを持っていこうか迷いながらも、実際には持参していない…という声も多く聞かれました。展覧会や発表会のお祝いは、相手の輝かしい発表の場を応援に行くためのもの。ですから、その場に足を運んで作品や発表を見て、ご本人に感想を述べることこそが、実は最大の贈りものと言えそうです。一人で行くのももちろんいいですが、友だちや家族を誘って行くのもいいですね。展覧会や個展などは来場者が多いほど喜ばれます。
2、イベント別、シーン別の喜ばれるお祝いの品とは?
その場に足を運んで作品や発表を見るのが一番の贈りものとは言っても、「おめでとうございます」の気持ちを品物として贈れば、展覧会の場に彩りを添え、より相手に喜ばれます。しかし、イベントの種類や会場によっては、かえって迷惑になってしまう品物などもあります。何か品物でお祝いなどをするときは、そのあたりに気を遣って選ぶのがベストです。
女子部JAPAN(・v・)の部員の中には、こんなお祝いの品を持参している人も。
このように、展覧会などでお祝いの品を持っていく人の中ではお花を贈っているという方が多いようです。やはり、相手の好みがわからない場合も、会場を華やかに飾ってくれる花束などが多く選ばれるよう。また、手ぶらで行ったとしても、会場で何か購入できる場合には、手頃な価格のものがあればお祝いの意味も込めて購入するというのもいいですね。
ここでは、イベント別・シーン別におすすめのお祝いの品をご紹介しましょう。
<展覧会・発表会のお祝い>
展覧会やギャラリーでの個展などに招待されて、お祝いを持参する場合は、花やお酒、お菓子、お祝い金を贈るのが一般的。お花やお菓子はポピュラーなお祝いの品ですが、他の方と少し違うものを贈りたいなら、会場で開かれるパーティーで食べられる食べ物の差し入れや、スタッフのことを考えたドリンク類などを贈るのもいいでしょう。ただし、会場によっては飲食が禁止の場合もあるので、その点も事前に確認すると安心です。また、帰りに持ち運びしやすい品物を選ぶなどの気配りも忘れずに。
<受賞のお祝い>
身内や恩師、友人の受賞を知ったら、まずはすぐに電話をかけるか、直接訪ねてお祝いを述べましょう。それが難しい場合は、祝電やお祝いの手紙でもいいでしょう。
このようなシーンでのお祝いには、日本酒などの酒類や鯛、伊勢海老などおめでたい品がよいとされています。祝賀会に招待された場合は、当日にお祝い金を持参しましょう。一般的には5000円〜1万円が目安ですが、会費制の場合はお祝い金を渡す必要はありません。
<起業・開店祝い>
友人や知人がお店を開いたり会社を立ち上げたりしたときは、これからの成功を祈ってお祝いをしましょう。披露パーティーに招待された場合は、贈りものを当日持参するか前日までに届くように発送します。品物は観葉植物や鉢花、花のアレンジメントなど、インテリアの雰囲気を問わずに喜ばれるものが人気。また、お祝い金を包むのもいいでしょう。親しい間柄であれば、本人に希望を聞くのもおすすめです。
3、お祝いの品を渡すタイミングや当日のマナーは?
相手の大切な日であるからこそ、渡すタイミングやマナーは必ず守るようにしましょう。たとえば発表会や展覧会は、その当日や期間中に渡すのがベストです。また、受賞のお祝いの場合は、受賞後から10日以内に渡すようにしましょう。起業や開業祝いでは、披露パーティーがある場合は当日に持参するか、前日までに届くようにしましょう。たくさんの方からお祝いの品が届くことが予想されますので、メッセージカードなどに自分からの贈り物だとわかるようにしてお渡しするのが親切です。
女子部JAPAN(・v・)部員のリアルな体験では、このような失敗談や喜ばれた経験も。
もし、実際に会場に行ってみて花を贈るような雰囲気でなかった場合は、帰り際などにそっと渡すか、後日あらためてお送りするぐらいの余裕を持っておきましょう。また、ご本人がたくさんのお客さんの対応で忙しい場合は、タイミングと状況を見ながらお祝いの言葉と品物をスマートに渡しましょう。展覧会や発表会の場合は、「○○がとても素敵でした!」など具体的な感想を述べると、きちんと見てくれたことが伝わり、より相手も喜んでくれます。
もしも都合が悪く行けない場合は、早めに電話をしてお祝いの言葉を伝えたり、お詫びの手紙を書くことも忘れずに!
<ミニコラム>
お花を贈る際のマナーと注意点は?
展覧会や発表会、開店祝いなどで花を贈る場合は、会場やお店などに合ったサイズや色合いを選ぶことが大切です。なかでも、会場を華やかに飾ってくれる花は喜ばれますが、その場合は花束よりも会場に飾れるアレンジメントがいいでしょう。絵画や陶芸、書道などの展覧会なら、作品よリも主張しすぎない花を選ぶのも大切な気遣いです。
また、花を贈る場合は、会場によっては注意が必要です。小さなギャラリーでの個展や展示会では花を置くスペースがあまりないこともあります。逆に大きな画廊やデパート内の会場の場合は、あらかじめ花の受け取りの可否を確認するといいでしょう。会場によっては大きさに制限があったり、受け取ってくれないところもあるようです。その場合は、花以外の品物にするか、ミニブーケのようなコンパクトなお花を直接お渡しするのもいいですね。
なお、起業や開店祝いでお花を贈るときは、赤い色の花は避けるのがマナー。赤い花は「火」を連想させるので、このようなお祝いには不向きです。
会場の大きさだけでなく、雰囲気やシチュエーションに合った花を選ぶのは、なかなか難しいものです。そこで、花のプロである花屋さんに相談するのがベスト。お店の人に、どのようなお祝いなのか、作品の雰囲気や会場の大きさ、ご本人の好みなどを伝えるとアドバイスをしてくれます。
大切な友人や知人の晴れの姿は、ぜひ駆けつけてお祝いをしたいものですよね。「おめでとうございます」「素敵でしたよ!」などの言葉と一緒に、ちょっとした贈りものがあると、大切な方の晴れの舞台をより華やかに演出してくれるものです。年齢を重ねると、両親や義両親、お世話になった方、友人などのお祝いシーンも増えていくでしょうから、贈りものの基本的な知識やマナーはぜひ知っておきましょう。
女子部JAPAN(・v・)
シニア向けのスマホ講座のカリキュラム作成や講師を担当、スマホの使い方ガイドを制作・監修するなどをしている女子集団。スマホ以外でも、女子にまつわるさまざまな情報を発信したり、イベントを開催しています。
イラスト/なかがわみか
参考文献/手紙の書き方と贈り物のマナー 著・矢部惠子
贈り方とマナーとコツ 監修・岩下宣子
高島屋のしきたり事典 著・高島屋