毎日、家族に料理を作っていたキッチン。
夕飯の支度をしていたら、学校から帰ってきた娘が手伝いもそこそこにつまみ食いしたり、今日の出来事を報告してきたり……。
料理だけでなく、母娘の思い出を作り続けてきたキッチン。そんな日々を懐かしく思い出すお母さんも多いのではないでしょうか。

そこで今日は、あるお母さんに、親元を離れ生活している娘に久しぶりの手料理を振る舞ってもらいます。
ちょっとタイムスリップして、あの頃のキッチンを思い出しながら、普段は伝えることができない気持ちを懐かしの料理と一緒に伝えることができるでしょうか。

「タイムスリップキッチン」

遠足の朝、焦って握った笑顔のおにぎり

画像1: 遠足の朝、焦って握った笑顔のおにぎり

今回、娘へ手料理を振る舞うのは以前「おかあさん、あのね」に出演してくれた梨紗さんのお母さん。手に持ったビニール袋には、以前よく梨紗さんが好きだった料理の材料が入っています。

画像2: 遠足の朝、焦って握った笑顔のおにぎり

いつも使っているというエプロンの紐をキュッと締め、いよいよ料理開始。
梨紗さんが到着するのはおよそ1時間後。それまでにサプライズで作りたいものがあるのだとか。

画像3: 遠足の朝、焦って握った笑顔のおにぎり

お母さん「梨紗は給食のある保育園に通っていたので、お弁当は作っていませんでした。だけどある日、遠足の日だったということを当日の朝に知って。急いでおにぎりを握ったんです」

画像4: 遠足の朝、焦って握った笑顔のおにぎり

お母さん「せめてかわいいおにぎりにしようと思って、海苔で目と髪の毛と口を切って顔を作りました。頰っぺはペースト状の梅を使って。そしたら、梨紗がすっごく喜んでくれたのを今でもよく覚えています」

画像5: 遠足の朝、焦って握った笑顔のおにぎり

お母さん「それで私も嬉しくなって、梨紗が中学校に上がってからも、このおにぎりをお弁当に入れてたんです。そしたら『あれ恥ずかしいからやめてくれない?』って言われちゃって(笑)。それ以降作っていなかったので今日は十数年ぶりに作ってみようと思ってます。喜んでくれるかな……」

画像6: 遠足の朝、焦って握った笑顔のおにぎり

繊細な作業を慎重に積み重ねて完成したのが、笑顔が愛くるしいおにぎり。胡麻の目が付いた、かわいいうずらの卵が添えられています。

画像7: 遠足の朝、焦って握った笑顔のおにぎり

出来上がったおにぎりは、梨紗さんに見つからないよう戸棚の中に。さて、そろそろ梨紗さんが駅に到着する時間が近付いてきました。お母さんはエプロンを一旦外し、梨紗さんを迎えに行きます。

一人で暮らす娘の梨紗さんと久々の再会

画像1: 一人で暮らす娘の梨紗さんと久々の再会

お母さん「梨紗!こっちこっち」

梨紗さん「あ、いた!久しぶり〜」

現在、音楽ユニットでパフォーマンスを行なっている梨紗さん。待ち合わせ時間になると、改札を抜けた梨紗さんが手を降りながらやってきました。

画像2: 一人で暮らす娘の梨紗さんと久々の再会

お母さん「この辺りの道、梨紗がまだ小さい頃、梨紗をベビーカーに乗せてよく一緒に散歩したんだよ。梨紗はもう覚えてないと思うけど……」

梨紗さん「ううん、なんとなく覚えてるよ」

2人は少し緑の葉が混ざったイチョウ並木を歩きながら思い出話を語り合います。

画像3: 一人で暮らす娘の梨紗さんと久々の再会

梨紗さんと一緒に戻ってくると早速キッチンに立つお母さん。そして、その様子を梨紗さんが覗き込みます。

梨紗さん「何作るの〜?あ!わかった!チキンのトマト煮込みだ」

お母さん「正解!それとサラダね。あ、そこにエプロンがあるから梨紗も手伝って?」

サラダを作りながら娘とキッチンに立ったあの頃

画像1: サラダを作りながら娘とキッチンに立ったあの頃

まず作るのは、みじん切りにした柴漬けを葉物と混ぜ、オリーブオイルで和えたお母さん特製のサラダ。

梨紗さん「あ!柴漬け懐かしい!お母さんのサラダだ」

お母さん「いつもならこれに、鯛のお刺身と塩昆布が入ってるんだけど……」

梨紗さん「これだけでも絶対美味しいよ!」

画像2: サラダを作りながら娘とキッチンに立ったあの頃

お母さん「梨紗は小さい頃からよく手伝ってくれてたよね。うちは母子家庭だったし、ママが家にいられないことも多かったじゃない」

梨紗さん「そうだね」

お母さん「夜遅くまで一人にして寂しい思いさせてたよね」

梨紗さん「うん。でも、そのおかげで今はひと通りの料理が作れるようになってるよ」

画像3: サラダを作りながら娘とキッチンに立ったあの頃

お母さん「そういう器用なところ、私じゃなくてお父さん譲りなんだなって思う」

梨紗さん「お父さんはシェフだったし、音楽も好きだったしね」

お母さん「梨紗はお父さんと暮らした時間は短いけど、お父さんの遺伝子が今も受け継がれてるんなあって節々で思うよ」

梨紗さん「そうだね。それは、なんとなく自分でも感じてたよ」

お母さん「お母さんも今は健康だけど、いつ何が起きるか分からないし、こういうこともちゃんと言っておこうと思ってたの」

2人キッチンに立っていた頃を思い出すお母さん。2人の会話は徐々に梨紗さんの現在の話に移り変わっていきます。

目覚ましい娘の成長に驚き、関心していたお母さん

画像1: 目覚ましい娘の成長に驚き、関心していたお母さん

お母さん「最近一人暮らしを始めて『すぐ頼ってくるだろうな』と思ってたけど、ちゃんと一人で暮らしていけてるよね」

梨紗さん「実家にいたときも、料理も家事も自分でできるようになってたからあんまり苦労しなかったかなぁ」

お母さん「そう育ててきたからね(笑)」

画像2: 目覚ましい娘の成長に驚き、関心していたお母さん

お母さん「最近ではミュージカルとかお芝居もやるようになって。毎回圧倒されるよ。それに、『あんな長いセリフいつ覚えてんだろう』って感心してる」

梨紗さん「あれはね、家に帰るまでの道のりをマスクを付けて、ブツブツ言いながら覚えたりしてた。マスクの下だと周りの人にバレないから(笑)」

画像3: 目覚ましい娘の成長に驚き、関心していたお母さん

お母さん「それにさ、昔に比べてライブでも自分の我を出さずにメンバーをたててあげたり、スタッフの人を気遣いながら動いてる」

梨紗さん「そうかなぁ」

お母さん「家ではわがまま言うことも多かったし、外では大丈夫なのかなって心配してたけど、ちゃんと相手のことを気遣えるようになってきてるんだなぁって思ったよ」

梨紗さん「本当?」

画像4: 目覚ましい娘の成長に驚き、関心していたお母さん

お母さん「それとさ梨紗、おばあちゃんとよくカラオケに行ってたじゃない。おばあちゃんも歌が好きな人だったから」

梨紗さん「うんうん」

お母さん「おばあちゃんが亡くなる前も、梨紗のライブでおばあちゃんの好きな『涙そうそう』を手を繋ぎながら一緒に歌ってくれた。おばあちゃん、孫と一緒にステージに立ててすごく喜んでたよ」

梨紗さん「あのときはお客さんも皆泣いてたよね」

お母さん「そうそう。梨紗は『この人は何をしたら喜ぶだろう』って考えて行動に移せるようになったんだなあって」

画像5: 目覚ましい娘の成長に驚き、関心していたお母さん

梨紗さん「トマト煮込み美味しそうな匂いする!ちょっと味見してもいい?」

お母さん「あとでどうせ食べるのに……しょうがないなあ」

画像6: 目覚ましい娘の成長に驚き、関心していたお母さん

梨紗さん「うん、いい感じ!」

お母さん「よし!じゃあ完成!」

過去の思い出から現在の梨紗さんの成長を料理をしつつ語り合いながら、チキンのトマト煮込みと付け合わせのサラダが出来上がりました。

お母さん「梨紗、お皿出しておいてちょうだい」

梨紗さん「うん、わかった」

画像7: 目覚ましい娘の成長に驚き、関心していたお母さん

「寂しい思いをたくさんさせてたけど……」

画像1: 「寂しい思いをたくさんさせてたけど……」

お母さんが作った料理を2人分に盛り付けていく梨紗さん。するとそこへお母さんが先ほど握ったおにぎりを持ってやってきて……。

画像2: 「寂しい思いをたくさんさせてたけど……」

お母さん「実は梨紗が来る前、このおにぎりも作ってたの」

梨紗さん「わあ!」

お母さん「遠足の日に初めて入れて、よくお弁当に入れてたんだけど覚えてる?」

梨紗さん「うん覚えてる、覚えてる」

笑顔のおにぎりを見て、つられるように笑顔になる2人。

画像3: 「寂しい思いをたくさんさせてたけど……」

テーブルにはおにぎりの他に、鮮やかなチキンのトマト煮込みとサラダが彩りを添えています。

画像4: 「寂しい思いをたくさんさせてたけど……」

お母さん「だけど、梨紗が周りをちゃんと思いやれるようになって、周りの人もそれを受けて梨紗を思いやってくれてる。だから今すごく安心してるよ。ありがとう」

梨紗さん「そうかな、そうだといいな」

お母さん「あ、冷めちゃうから食べて」

梨紗さん「じゃあ……いただきます!」

母の手料理が娘の心の成長を促してきた

画像: 母の手料理が娘の心の成長を促してきた

梨紗さん「うん、美味しい!」

好物だったというチキンのトマト煮込みを頬張り、思わず微笑む梨紗さん。その様子をお母さんは嬉しそうに見つめていました。

ひとり娘を育てるために、夜遅くまで仕事に出て自宅にいる時間が少なかったというお母さん。ですが、梨紗さんは相手のことを気遣える優しい大人となり、お母さんはその成長にきちんと気付いていました。
梨紗さんが発揮する優しさの源泉は、もしかすると我が子を想って作ったお母さんの手料理だったのかもしれません。

離れて暮らすお子さんに、久しぶりに好きな料理を振る舞う機会を設けてみてはいかがでしょうか?
昔作ってた料理を通してあのころにタイムスリップすれば、お母さんも、お子さんも、自然といろんな思い出が話せるようになることでしょう。
そして、思い出というスパイスがプラスされたその料理はきっと、どんな料理よりも美味しいはずです。

ライター/いちじく舞
カメラ・編集/高山諒(ヒャクマンボルト)

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